comicアンスリウム Vol.146 2025年6月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言うと、雑誌は「当たり外れ」だと思っていた
アダルトコミック誌を手に取る時、いつも一抹の不安がある。人気作家の新作が集まるとはいえ、その全てが自分の好みに合うとは限らない。特に「恋愛」と「ラブコメ」のタグが付く作品は、甘ったるいだけの内容も少なくない。501ページという膨大なボリュームは、逆に「外れ作を我慢して読む時間」に感じられていた。正直、数本の目当て作品だけを電子単話で買う方が効率的だと考えていた。しかし、今号の作家陣と「情熱と煩悩」というキャッチコピーは、どこか熱量を感じさせた。これは単なる作品集ではないかもしれない。そう思わせる何かがあった。
読み進める中で、雑誌の「編集力」に気づく
ページをめくるごとに、雑誌という形式の利点が浮かび上がってきた。まず、その「リズム感」だ。はるまれ先生の叙情的な「二日酔い介抱SEX」の後には、交介先生の積極的な「筆おろし」が続く。甘い恋愛描写の次に、少し背徳感のあるシチュエーションが配置される。この緩急が、501ページという長丁場をまったく飽きさせない。一つの世界観に浸りきる単行本とは異なる、多様な「エロの味」を楽しめるのだ。
「画力」の個性が際立つカラーページ
特にkonnyaku先生のフルカラーコミックは衝撃的だった。食欲と性欲を同時に刺激する描写は、まさに「むちカワ」の名に恥じない。色彩の豊かさと質感描写が、電子画面越しにも迫ってくる。これは雑誌ならではの豪華さだ。各作家の「肉」の描き方、「制服」の皺や質感へのこだわりも比較できて楽しい。視覚的な美しさを求める読者にとって、これはたまらない体験だ。思わず「この作家の単行本もチェックしなきゃ」と唸ってしまった。
そして、ここに至る――関係性の「始まり」にこだわる作家たち
今号の最も印象的な点は、「関係性の始まり」を丁寧に描く作品が多いことだ。ぽん汰先生の「異色カップルの性春初体験」、海山そぜ先生の「破天荒弟子と堅物師匠のトンデモ修行」、天然いなり先生の「腐れ縁の元恋人」――。いずれも、単なるセックスシーンではなく、二人がどうしてこうなったのかという「過程」に重点が置かれている。タグにある「処女」や「羞恥」も、単なるフェチ要素としてではなく、キャラクターの心情と深く結びついているように感じた。例えば「筆おろし」という行為一つとっても、そこに至る信頼関係や緊張感が描かれていなければ、ただのプレイで終わってしまう。この号の作家陣は、その「間」をきちんと描いている。だからこそ、Hシーンがより輝いて見えるのだ。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
今号に掲載されている連載作品(エビフライ定食先生作など)は、単話購入も可能です。しかし、501ページでこれだけ多様な作家の作品を一度に楽しめるコスパは雑誌版が圧倒的。気になる作家を発掘する「種まき」としても優れています。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほとんどの作品は読み切りなので問題ありません。連載作品(社内性欲処理など)も、その話だけで完結するように作られているため、ストーリーを追うのに支障はないでしょう。安心して飛び込めます。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグに「NTR」はありません。ただし、有村大根先生の「背徳3P」やモチヂ先生の「辱めFUCK」など、一部の作品には背徳的・支配的な要素が含まれると思われます。あらすじを確認し、気になる作家の作品は飛ばして読むことも可能です。
多様な「恋愛の形」が詰まった、発掘の楽しみに満ちた一冊
この『comicアンスリウム Vol.146』は、雑誌に対する自分の偏見を打ち砕いてくれた。それは単なる作品の寄せ集めではなく、編集によって緩急が付けられ、読者を退屈させない「体験」そのものだ。純愛もあれば少し歪んだ関係もあり、恥じらいもあれば積極性もある。そんな多様な「恋愛の形」と「エロの在り方」を一度に味わえる。501ページは決して重荷ではなく、むしろ「次はどんな出会いがあるか」というワクワク感に変わる。久しぶりに「雑誌を買ってよかった」と心から思えた一冊だ。あなたの好みの作家や、新しい性癖との出会いが、きっとここにある。





