comicアンスリウム Vol.107 2022年3月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
「バレンタインを淫靡に彩る」アンソロジーの真価
『comicアンスリウム』2022年3月号は、バレンタインをテーマにしたアンソロジー誌だ。おるとろ、雨天あめか、たつか、板場広しなど、個性豊かな作家陣が集結している。表紙を飾るのは爆尻ギャルJK。その肉感的なビジュアルが、誌面全体の方向性を暗示する。結論から言わせてくれ。これは特定の作家を追うより、多様な「肉」の描き方を楽しむための一冊だ。
購入前に知っておきたい5つの疑問
Q. 470ページって、実際の読み応えは?
アンソロジー誌としては標準的なボリュームだ。20名近い作家による作品が収録されている。一つの話が20ページ前後と想定される。短編が次々と展開するので、飽きずに読み進められる。コスパという点では申し分ない。
Q. 画風のばらつきは大きい?
非常に大きい。極上の美爆乳を描く雨天あめか、美麗官能のたつかやもものユーカから、ギャルテラーの板場広し、SF×エロの丸居まるまで、作風は多岐に渡る。一つの誌面でこれだけのバリエーションを味わえるのはアンソロジーの特権だ。
Q. タグの「筋肉」はどの作品?
あらすじから推測するに、山本善々先生の「格闘技女子にマウントポジション取られちゃう♪」が該当すると思われる。筋肉質な女性が男性を圧倒する、いわゆる「逆レイプ」的なシチュエーションが期待できる。
Q. ラブコメ要素は強い?
タグに「ラブコメ」「ラブ&H」がある通り、甘い恋愛描写を含む作品も収録されている。東野みかん先生の「天真爛漫巨乳ギャルとオタクくんの恋の攻防戦♪」や、咳寝はじめ先生の「無口巨乳彼女の誰にも聞かせたくないアノ声…♪」などは、エロと笑いとキュンとをバランスよく含むと思われる。
Q. FANZAの評価が1.00点なのはなぜ?
外部評価(FANZA)では1.00点(1件)と、非常に低い数値が付いている。これは評価件数が極端に少ないため、参考にはならない。アンソロジーは好みが分かれやすく、一人の作家のファンが他の作品を評価することもあり、評価が偏る傾向にある。
「視覚的フェチ」を解剖する
この号の真骨頂は、作家ごとに異なる「身体の造形美」を比較鑑賞できる点にある。例えば、おるとろ先生の「爆尻ギャルJK」は、重力を感じさせる重厚な肉感が特徴だ。一方で、雨天あめか先生の「爆乳サキュバス」は、現実離れした膨張感と妖艶な曲線美が際立つ。同じ「巨乳」「巨尻」というタグでも、その表現手法は作家によってまったく異なる。
制服の描き方にも注目したい。清楚なメガネ美女から黒ギャルまで、学生服という同じアイテムが多様なキャラクター性を演出する。皺の寄り方、光沢の加減、体へのフィット感。これらの細部へのこだわりが、各作家のセンスと技術を如実に表している。自分は、かいづか先生の「全身オナホボディ」というフレーズに思わず引き込まれた。どういう質感で、どういう動きを描くのだろうか、と。
さらに、丸居まる先生の『受精卵まもるくん』のようなSF要素や、交介先生の人外娘など、非日常的な設定も散りばめられている。これらは、いわば「造形美の実験場」だ。現実の人体を超えた、想像力豊かな身体表現を楽しむことができる。エロと笑いのバランスを取るラブコメ作品は、緊張感をほぐすスパイスとして機能している。硬質なフェチ描写ばかりでは息が詰まる。適度なコミカルさが、かえってエロスを引き立てるのだ。
多様性こそが最大の武器
では、この『comicアンスリウム』3月号は買いなのか? 答えは「好みの作家がいるか、画風の冒険をしたい人には推せる」だ。単一作家の単行本とは異なり、全ての作品がハマるとは限らない。しかし、そのリスクを上回る発見がある。気になる作家の新作をチェックするついでに、未知の作家の「肉感」や「制服の皺」に触れる。そんな探索の楽しみを存分に味わえる一冊である。一つでも気になる作家名やシチュエーションがあれば、470ページというボリュームは十二分に元が取れるだろう。正直、板場広し先生の「Wビッチギャル」と山本善々先生の「格闘技女子」という対極的なシチュが一冊に同居している時点で、買う価値はあると思った。





