僕も君を守れたらのレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
「触手」と「純愛」が共存する、奇跡の20ページ
「触手もの」と聞いて、どんなイメージを抱くだろうか。非道な陵辱か、狂気じみた快楽か。しかし、この作品はその常識を優しくひっくり返す。見習い勇者と女戦士という王道ファンタジー設定に、触手という要素を溶かし込む。その先にあるのは、意外にも「気持ちを伝え合う想い愛セックス」だ。作者の奴裳嵐すぴかは「ダンジョン純愛コミッカー」を自称する。この矛盾した二つをどう料理するのか。その手腕に、正直、期待と不安が入り混じった。結論から言おう。彼女は見事に両立させてみせた。触手が、単なるプレイの道具ではなく、二人の関係を加速させる「きっかけ」として機能するのだ。
購入前に気になる、あの疑問に答えます
Q. 触手描写はキツい? 純愛とどう折り合いをつけてる?
A. これが最大のポイントだ。触手は「モンスターに捕まる」という危機的状況で登場する。しかし、それはあくまで序章。重要なのはその後、その影響で「自分の気持ちに素直になった」ヒロインの変化だ。つまり、触手は「素直になるための装置」として機能している。純愛の邪魔ではなく、むしろ純愛への近道として描かれている印象だ。
Q. ラブコメ要素はしっかりある?
A. あらすじに「ラブコメ」「ラブ&H」のタグが付いている通り、コミカルでほのぼのとした空気は随所に感じられる。特に、普段はクールな武術家であるヒロインが、ムラムラが止まらなくなってしまった時のギャップが、おそらくラブコメの核となるだろう。上目遣いで見つめられる告白シーンは、その最たる例だ。
Q. 20ページで物足りなくない?
A. 単話作品であることを考慮すれば、ストーリーはコンパクトにまとまっていると思われる。冒険→事件(触手)→解決→両想いの気付き→H、という流れが20ページに凝縮されている。ダラダラした描写はなく、エッセンスが詰まった濃い内容と推測できる。コスパというよりは、一気に楽しむ「ショートケーキ」のような作品だ。
Q. 戦闘シーンや世界観描写は?
A. 「ファンタジー」「格闘家」「女戦士」のタグから、ある程度の戦闘描写や世界観の匂いは感じられる。しかし、20ページという限られた紙数では、大規模なバトルや深い設定説明よりは、二人の関係性とその変化に焦点が当てられているはずだ。冒険はあくまで二人の愛を育む舞台と考えた方が良い。
Q. Hシーンのテンポや雰囲気は?
A. 「即ハメ」のタグがあるため、互いの気持ちが通じた後の情熱的な展開は間違いない。ただし、ただの欲情ではなく「告白セックス」と銘打たれている。つまり、感情の高まりと肉体の結合がシンクロした、熱くて甘いシーンが期待できる。ここだけの話、こういう「理由のある即ハメ」は非常に推せる。
「守り合う」関係性が生む、特別なエロス
この作品の真骨頂は、タイトルにもある「守り合う」という関係性の機微にある。見習い勇者である主人公ヘリオは、強い女戦士クリスタを「守りたい」と願う。一方、クリスタもまた彼を守っている。この双方向の「守護」が、単なるヒロイン救出劇を超えた深みを生む。彼が彼女をモンスターから救う行為は、物理的な救出であると同時に、彼の想いの表明でもある。そして、触手の影響で抑えきれなくなった彼女の想いが、今度は彼に向けられる。ここに、優劣のない対等な恋愛の萌芽を見る。
タグにある「異物挿入」は、この文脈では非常に興味深い。それは「彼以外の何か」による刺激かもしれない。しかし、その体験を通じて彼女が「彼に」強く惹かれていくのであれば、それはもはやNTR的な背徳感とは異なるベクトルを持つ。むしろ、自分自身の本心に気付くための、ある種の「触媒」として機能している可能性が高い。作者が「ダンジョン純愛コミッカー」と名乗る所以は、こうした一見相反する要素を「純愛」の方向へと無理なく収束させる手腕にあるのだろう。自分が読み終えた時、「触手ものでここまでほっこりできるのか」と少し驚いた。
だから、これは「守り合う純愛」の新たな形だ
では、買いなのか? 答えはイエスだ。ただし、条件付きで。ハードコアな触手描写や複雑な心理描写を第一に求める人には物足りないかもしれない。しかし、「触手」という要素を取り入れながら、最後はきちんと「両想いの、幸せなH」に帰結する物語を求めている人には、非常に良質な一品だ。外部評価(FANZA)では現状5.00点(1件)と、まずまずの出だしと言える。20ページという短さは、逆に言えば隙のない完成度を要求する。その挑戦に作者はほぼ成功している。画力に関しては、あらすじからは判断できないが、キャッチーな表記やタグの多さから、読みやすくエロティックな作風が伺える。ラブコメの可愛らしさとHシーンの熱さのバランスが取れていれば、文句なしのAランク作品だ。
