この春、彼女と一緒に卒業しました〜ふたり初体験編〜のレビュー・感想・徹底解説

レビュー・徹底解説

👤誰向け?甘酸っぱい初体験に憧れる人
⚠️注意点特になし
おすすめAランク

「好き」が止まらない、初めての熱量を描くアンソロジー

「誕生日が来たらえっちしたい」と彼に告げる乙葉。彼女の純粋な誘いに、彼は動揺してそっけない態度を取ってしまう。恋愛経験ゼロの堅物女子が、突然胸をあらわにして誘惑する。幼なじみとのショッピングデートが、ホテルへの誘いへと発展する。この作品は、そんな「大好き」という気持ちが溢れ出し、初めての身体の交わりへと向かう瞬間を集めたアンソロジーだ。互いを想う気持ちが、恥じらいや不器用さを溶かし、甘く熱い体験へと変容する過程にこそ、本作の真骨頂がある。

青春の一ページに刻まれる、甘くてとろけるような時間

タグから推測される通り、本作は「学園もの」「恋愛」「ラブ&H」を基調とした、まさに青春そのものの物語だ。登場するのは「処女」であり「カップル」。そこにはNTRや複雑な人間関係といったドロドロした要素はなく、純粋に二人だけの世界が広がっている。おそらく「制服」を身にまとった彼女たちが、「美乳」をさらけ出し、「騎乗位」を含む様々な体位で愛し合う。しかし、重要なのは行為そのものではなく、その行為に至るまでの「ラブ」の積み重ねだ。あらすじからは、誤解や焦り、そして確かめ合いたいという強い想いが伝わってくる。これは、セックスを「成就」として描くのではなく、「関係性の深まりの一過程」として捉えた、極めて幸福で温かい作品群と言える。

4組のカップルが紡ぐ、それぞれの「初めて」の形

全93ページに収められた4つの作品は、いずれも「初体験」という共通テーマを持ちながら、全く異なるアプローチで読者の胸を打つ。

誕生日の約束と、すれ違う想いの行方

花兄けい氏による『ふぁーすとりみっと』は、乙葉と陸という学生カップルの物語だ。乙葉の「誕生日が来たらえっちしたい」という直球な誘いに対し、陸が動揺してそっけない態度を取ってしまうという、青春らしいすれ違いから始まる。あらすじにある「嫌われたと誤解」という部分が非常にリアルで、お互いを大切に思うが故の小心さが滲み出ている。しかし、そんな誤解を「好き」の気持ちが上回り、溢れ出る想いを身体で確かめ合う。ここだけの話、この「好きがあふれて止まらない」という描写に、思わずにやけてしまった。

経験豊富なフリと、ばれた瞬間のたどたどしさ

あずみ京平氏の『うそつきカノジョ』では、結衣という「経験豊富なフリ」をしていたが実は初めて彼氏ができたヒロインが主役だ。友人に後押しされ、勝手も分からないまま強引に誘惑する彼女の姿は、ギャップ萌えの極致である。おそらく「ギャル」タグは、彼女の見た目や振る舞いのフリンド部分を指しているのだろう。その裏に隠された無垢さと、彼氏に対する「好き」の気持ちが剥き出しになる瞬間。心も身体も一つになる過程の描写は、まさに「胸キュン」せずにはいられない。

恋愛を“教える”ことから始まる、貪り合うような関係

オジョウ氏の『恋どまり』は、少し変わった設定から始まる。恋愛経験のない楓に「恋を教えること」を条件につきあうことができた土屋。しかし、キスや手を握っても彼女の心は揺るがない。そこに突然、楓の方から胸をあらわにしての誘惑が訪れる。この「教える」関係から「貪り合う」関係への急転換が、この作品の最大の見どころだ。彼女の中に眠っていた未知の感情や欲求が、ある日突然噴出する。その熱量は、ただの初体験ものの枠を超えている。

ちろたた表紙が示す、むっちり肉感の美しさ

本作の第一印象を決定づけるのは、言うまでもなく表紙イラストだ。「むっちり乙女マイスター」を自称するちろたた氏による、デカ乳をさらけ出しM字開脚で恥じらう美女の描写は、まさに「肉感」の一言に尽きる。この肉感は、単なる巨乳表現とは一線を画す。重力に逆らわない自然な垂れ、柔らかそうな肌の質感、恥じらいと誘惑が入り混じった複雑な表情。これらの要素が組み合わさり、官能性と純粋さを両立させた「美乳」を造形している。正直、この画力だけで手に取る価値は十二分にある。各作品の作画も、この表紙の世界観に呼応するように、少女たちの柔らかな肢体と、初々しいながらも熱を帯びた表情を丁寧に描き出している。特に、快楽に抗えず表情がとろけていく瞬間や、彼氏を求める切ない眼差しの描写には、各作家の力量が光る。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

本作は最初から単行本として発売されたアンソロジーです。4作品が93ページにまとまっており、単話でバラバラに購入する選択肢はありません。コスパは単行本形式で決まりです。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

問題なく楽しめます。『この春、彼女と一緒に卒業しました』はアンソロジーであり、収録作品はすべて独立した短編です。それぞれのカップルの完結した物語なので、前提知識は一切不要です。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

タグやあらすじから判断する限り、そのような地雷要素はおそらく含まれていません。内容は純愛とラブ&Hが中心で、カップル同士の幸福な関係性が描かれています。安心して青春を堪能できます。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

ストーリーと実用性のバランスが非常に良い作品です。関係性の深まりを丁寧に描くので感情移入しやすく、その分、結ばれる瞬間のエロシーンも説得力と熱量があります。どちらか一方だけを求める読者にも満足できる内容です。

あなたの“初めて”の記憶を、優しく呼び覚ます一冊

本作は、甘酸っぱい青春と、そこに宿る初々しい性愛を見事に結晶化したアンソロジーだ。4人の作家が「初体験」というテーマを多角的に切り取り、読者に「こういうのでいいんだよ」と肯定させてくれる。画力もストーリーも水準以上で、93ページというボリュームは満足感が高い。欠点を挙げるなら、短編形式のため各作品の描写がもう少し深掘りされていれば、という欲はある。しかし、純粋に「幸せなエロ」を求め、視覚的な美しさも楽しみたい読者にとって、これは間違いなく良質な選択肢である。青春の一ページを、優しく彩りたい全ての人に贈る、Aランクの作品だ。

📊 総合評価
Aランク
エロさ★★★★☆
画力★★★★☆
ストーリー★★★★☆
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