この春、彼女と一緒に卒業しましたのレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
「青い春」の記憶に、濃厚なエロスを添える一冊
「この春、彼女と一緒に卒業しました」は、その名の通り青春をテーマにしたJK純愛アンソロジーだ。しかし、その内実は「純愛」という言葉が持つ淡いイメージを、確かな肉感と熱量で塗り替える作品群である。全117ページに5つの異なる作家による短編が収録されており、それぞれが「学生時代の恋」という共通項を持ちながら、女装、幼なじみ、師弟、義妹など多様なシチュエーションで濃厚なエッチを展開する。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、限られた評価ではあるが満点の評価が付いている。電車では絶対に読むな。これは忠告だ。
購入前に知っておきたい5つの疑問
アンソロジー作品は、中身が掴みづらい。ここでは、購入を迷う読者のために具体的な疑問に答えていく。
Q1. 「純愛」って書いてあるけど、実際のエロさは?
甘ったるいだけの描写は皆無だ。各話とも、明確な性欲と肉体の交錯が描かれる。例えば、女装した主人公が好きな女子の下着で興奮する描写や、幼なじみ同士が成り行きで始めるセックスなど、「純愛」という感情の裏側にある、蠢く本能にしっかりと焦点が当たっている。ラブ&Hの「H」部分は十二分に担保されていると言える。
Q2. 117ページで5話って、コスパはどうなの?
1話あたりの平均ページ数は約23ページ。短編としては標準的なボリューム感だ。各作家がコンパクトに起承転結、そしてエッチシーンを詰め込んでいるため、物足りなさを感じることは少ない。むしろ、多様な作家の画風とシチュエーションを味わえるというアンソロジーならではのメリットが大きい。読み応えについては及第点だろう。
Q3. 巨乳タグがあるけど、どの話が該当する?
あらすじから判断するに、『シークレットゲーム』(waves)が該当すると思われる。婚約者の妹に拘束され、「勃起しなかったら外してあげる」と言われながら、たわわに実った胸を目の当たりにする……というシチュエーションだ。他の話でも、女子校生らしい柔らかな肢体の描写は各作家によって行われているため、肉体派の読者も楽しめる要素は散りばめられている。
Q4. アンソロジーなので画風のバラつきは?
5人の作家による作品であるため、画風の違いは当然ある。あるぷ氏のコミカルで可愛らしいタッチから、ぴりりねぎ氏のややシンプルでストレートな作画まで、幅は感じる。しかし、どの作品も「エロ漫画」としての機能は果たしている。好みが分かれる部分ではあるが、一つも読めないほど極端な画風の作品はないと判断できる。
Q5. ストーリー性はある? それとも実用性重視?
「成り行きセックス」や「条件付き恋愛」など、短編ならではのわかりやすい導入で話が進む。深い心理描写や複雑な人間関係を期待するべきではないが、エッチに至るまでの「きっかけ」にはそれぞれ工夫が凝らされている。ただのヤリ切り漫画ではなく、ほんのりとした青春の匂いと、そこから迸る性欲の対比が、この作品集の持ち味だ。
「JK純愛」の裏側にある、確かな肉感
この作品集の真価は、「純愛」というテーマを掲げながら、そこにしっかりとした「肉」の描写を乗せている点にある。例えば『Dressing Up!!』(あるぷ)では、女装という倒錯的なシチュエーションが、主人公の純粋な恋心と勃起という生理現象を結びつける。下着を借りて興奮するという描写は、恋愛感情とフェティシズムが紙一重であることを如実に示している。
また、『甘色ボイス』(はるきち)に至っては、セックス中に相手が声を出さないことを気に病んだ男子が、あの手この手で彼女をイカせようとする「努力系」の物語だ。ここには、相手を喜ばせたいという純愛と、性的な達成感を求めたいという欲求が混ざり合っている。自分が読んでいて、「こういうのでいいんだよ」と思わせてくれるリアリティがあった。
タグにある「学生服」「女子校生」は、単なる衣装や属性ではない。それらがまとう「若さ」や「日常性」が、非日常的なエロティシズムと衝突する瞬間を描くための、最高の装置となっている。教師を逆レイプする『自堕落教室』(ぴりりねぎ)などは、その典型だろう。正直、シチュエーションのチョイスはどれも秀逸で、ページを開く前に期待を膨らませるには十分すぎる。
多様な「春」の終わり方、あなたはどれを選ぶ?
では、結局のところ買いなのか? 答えは「JK純愛に肉感を求めるなら、間違いなく価値あり」だ。5つの話は全て、青春という名の通りすがりの季節に、性という確かな爪痕を残そうとする物語ばかり。画風の好みはあるだろうが、どの話もエロ漫画としての核心は外さない。117ページというボリュームは、複数の作家の世界観を一度に味わうにはちょうど良い分量だ。外部評価が1件だけとはいえ満点なのは、こうしたニッチな需要にピタリとハマった読者がいた証左だろう。自分は『変わらないもの』の、何気ない日常から性に流れていくあの雰囲気にやられた。あの「退屈」から始まる展開は、妙に生々しくて唸ってしまった。




