レビュー・徹底解説

👤誰向け?多様な嗜好を満たしたい人
⚠️注意点連載作品の途中含む
おすすめAランク

500ページ超の濃厚エロス、アンスリウムの夏は熱い

2019年夏のアンスリウムを手に取った。表紙は40原先生のジューンブライド。まずその厚みに驚く。500ページを超えるボリュームだ。これは単なる雑誌ではない。複数の単行本を束ねたような圧倒的な存在感がある。あらすじを一瞥するだけで、その守備範囲の広さが伝わってくる。テニス少女からお嬢様、JK、人妻、メイド、幼なじみまで。まさに「情熱と煩悩」の総合カタログと言える。正直、このボリュームでこの価格はコスパが良いと思った。最初から最後まで読み通すには覚悟が必要だが、その分、必ずや好みの一品が見つかるはずだ。

豪華作家陣が織りなす、多様性の饗宴

表紙やあらすじだけでは伝わらない深みがある。それは各作家の個性が、誌面という器の中で光っている点だ。単なる寄せ集めではなく、それぞれが確かなクオリティで読者を引き込む。

士郎正宗から平つくねまで、画力の幅広さ

まず特筆すべきは士郎正宗先生の10Pカラーコミックだ。あの『攻殻機動隊』の作者がアダルト誌に描く。その事実だけで画力への期待は膨らむ。一方で、平つくね先生の美麗艶色カラーストーリー連載開始も見逃せない。作風は対照的かもしれない。しかし両極端な才能が一冊に収まっている。これは雑誌ならではの醍醐味だ。画集レベルの絵から実用的なエロ絵まで。視覚的にも飽きさせない工夫が随所にある。

「純愛」から「背徳」まで、シチュエーションの網羅性

タグには「処女」や「人妻・主婦」が並ぶ。あらすじを読むと、その両極端が同居していることがわかる。ヲカシヤ先生の「天真爛漫な快活JK彼女」は純愛路線だ。一方でネプカ先生の作品は「幸せな人妻を元彼棒で無理やり貫く」とある。明らかに背徳感が強い。一冊の中で清純と悪堕ちを行き来できる。自分の気分に合わせて読む話を選べる。この選択肢の多さが、500ページの価値を高めている。

連載ものと読み切り、二つの楽しみ方

今号はいくつかの連載シリーズの途中や完結編も収録されている。あるぷ先生の「ドスケベ村娘」シリーズ第2話。宮野金太郎先生の「極上ハーレムシリーズ完結」。連載を追っている読者にはたまらない号だ。しかし、全てが連載依存というわけではない。折口ヒラタ先生の幼なじみものや、暗ノ吽先生の恵体お姉さんものなど、読み切りも豊富だ。連載ものの深みと、読み切りの手軽さ。二つの楽しみ方を同時に提供している。

雑誌ゆえの特性、理解しておきたいこと

ここだけの話、全ての作品が同じテンションでハマるわけではない。当然だ。作家もシチュも多様なのだから。例えば、かまぼこRED先生やクール教信者先生のギャグ漫画も収録されている。エロシーンを求めて読むと、ここで一息つくことになる。好みが分かれるポイントだろう。また、「単行本作業を進め作家さんから深刻なことを打ち明けられ…」というあらすじから推測するに、業界内情を描いたメタな作品も含まれる。純粋に抜きに来た読者には、やや趣向が異なるかもしれない。しかし逆に言えば、こうしたバラエティこそが雑誌の価値だ。エロ一本槍ではない、緩急のある読み味を楽しめる。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

このボリューム(507P)と作家陣の豪華さを考えると、コスパは極めて高い。単行本未収録作品も多い雑誌ならではの価値がある。気になる作家の読み切りを試す「お試し」としても優秀だ。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

ほとんどの読み切りは問題ない。連載作品(例:あるぷ先生、宮野金太郎先生のシリーズ)は、前後の話を知っているとより深く楽しめるが、単体でも理解できるように描かれている。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

あらすじから推測するに、「元彼との再会に逃れられず」といった背徳的要素を含む話はある。しかし過度な暴力やスカトロなどの過激描写は、この誌面の傾向から見ておそらく少ない。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

作家により大きく異なる。しっかりしたシチュと心理描写のある作品もあれば、直球のハーレムセックスを楽しむ作品もある。両方の楽しみ方ができるバランス型と言える。

多様性こそ最大の武器、エロ漫画の博覧会

結論から言おう。特定の一作品に絞りたい人より、様々な味を楽しみたい人に刺さる一冊だ。507ページという物理的な厚さが、その選択肢の多さを保証している。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価件数は少ないものの満点の評価がある。これはおそらく、このボリュームとクオリティに対する満足の表れだろう。自分は読み進める中で、知らなかった作家の良さに気づくことが何度かあった。いわば「発掘の楽しみ」がある雑誌なのだ。一つの性癖に深くハマりたい人には物足りない側面もある。しかし、エロ漫画というジャンルの広がりを体感したい。そうした好奇心旺盛な読者には、間違いなく充実した時間を提供してくれる。夏の熱気をそのまま封じ込めた、濃密な一冊である。

📊 総合評価
Aランク
エロさ★★★★☆
画力★★★★☆
ストーリー★★★☆☆
This Series
comicアンスリウム Vol.11
comicアンスリウム Vol.22
comicアンスリウム Vol.33
comicアンスリウム Vol.44
comicアンスリウム Vol.55