comicアンスリウム Vol.57 2018年1月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
575ページに凝縮された、多様な性癖の饗宴
ノーブラサンタコスの幼なじみが押しかけてくる夜。酔った巨乳ガールが甘える吐息。図書室で「特別貸出」を囁く美少女。この一冊には、ありとあらゆる「もしも」が詰まっている。コミックアンソロジー誌の真骨頂は、一点の深さではなく、広がりの豊かさだ。十人十色の作家が、十人十色の「エロス」をぶつける。読者はまるで美食のビュッフェを巡るように、自分の好みの一品を探し求めることになる。これは、覚悟してページを開いてほしい。
「アンスリウム」という名の楽園
タグから推測されるのは、巨乳と制服を基調とした、ある種の“王道”的な美少女描写が中心の世界観だ。しかし、あらすじを仔細に読めば、その枠組みを超えた多様性が浮かび上がる。純愛系のイチャラブから、背徳や寝取られ、さらにはファンタジー要素を織り交ぜたハードな描写まで、その守備範囲は驚くほど広い。ツンデレや小柄といった属性は、キャラクターにアクセントを与えるスパイスとして機能している。一冊でこれだけのバリエーションを体験できるのは、雑誌という形式ならではの強みである。それぞれの話が短いながらも、そのシチュエーションとキャラクター造形に全力を注いでいるのが伝わってくる。
正直、これだけの作家陣が一堂に会するのは豪華すぎる。板場広し、伊藤エイト、宮野金太郎といった実力派から、新鋭まで。ページをめくるたびに違う「肉感」や「表情」の描き分けに触れられるのは、ある種のマニアックな楽しみだ。画風の違いそのものが、この雑誌のコンテンツと言える。
目が離せない、珠玉のシチュエーション群
あらすじから伺える、いくつかの強烈なシーンに焦点を当ててみよう。それぞれが独自の「刺さり方」を用意している。
「魔法のオナホ」から飛び出した、片瀬蒼子の世界
大人気CG集シリーズの書き下ろしコミックが登場する。これは、その独特の質感やキャラクター造形をファンが待ち望んでいたものだろう。CGで培われた、どこか非現実的でありながらも肉感的な描写が、漫画という動きのある媒体でどう表現されるのか。ページをめくる手が、自然と早くなってしまう領域だ。このシリーズの持つ「弄ばれる」あるいは「機能する」身体の描写が、どう漫画化されるのか。期待せずにはいられない。
Sin-Go先生が描く、電話を切れないNTR
「彼氏と電話中の幼馴染にイタズラを仕掛ける」。この一文から、緊迫と背徳がにじみ出るシチュエーションが目に浮かぶ。相手の反応を押さえつけながら、あるいは悟られまいとしながら進む行為。その過程で変化する幼なじみの表情や、声を殺す仕草。NTRというタグが示すように、心理的な軋みと身体的な快楽のコントラストが、この話の核となるだろう。自分はこういう「間」の緊張感がたまらなく好きだ。
佃煮先生のクールメガネ娘、義父を誘う
「まだ誕生日プレゼントが残ってるんです」。この台詞に込められた、計算ずくの甘さと危うさ。クールなメガネの義娘が、自ら線を越えようとする瞬間。ツンデレの要素も感じさせるこのシチュエーションは、関係性の崩壊と再構築というドラマを内包している。普段は冷静なキャラクターが、情動に押し流されていく過程の描写。特に表情の微細な変化や、眼鏡越しの曇った視線に、作者の力量が問われるシーンだ。
多様な画風が織りなす、視覚的バラエティショー
技術的な観点でこの号の最大の魅力を挙げるなら、それは画風の多様性に尽きる。湿り気120%と称される伊藤エイト先生のたっぷりとした肉感。核座頭先生のおっとり系爆乳の柔らかそうな質感。板場広し先生の圧巻ムチボディの張りと締まり。同じ「巨乳」というタグでも、作家によってその表現はまったく異なる。読者は一冊で、さまざまな「肉」の描き方、光の当て方、汗や愛液の表現の違いを比較検討できるのだ。
これは、作画カロリーが半端ない。各作家が短いページ数の中で自分の美学を最大限に発揮しようとするからこそ、コマごとに凝縮されたエロスが炸裂する。構図も大胆で、全体を見渡す引きの画から、吐息が伝わるような接写まで、リズムよく配置されている。特にカラー頁は、TwinBox先生の「むちふわ美少女」のように、色彩そのものが官能を誘う役割を果たしている話もあり、見応え充分だ。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
この575ページという圧倒的ボリュームを考えると、コストパフォーマンスは雑誌版が極めて高い。単行本未収録の作品や、作家の初期作に出会える可能性も雑誌の醍醐味。特定の作家だけ追うなら単行本、多様性を楽しみたいなら本誌がお得。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほとんどの作品は短編完結型なので問題ない。あらすじにある「第2話」やシリーズ物も、その話単体で楽しめるように作られている。ただし、連載物のキャラ関係性の深みは、通して読む方がより味わえる。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじから推測するに、NTRや背徳、強制めいた要素を含む話は複数存在する。例えば「寝取られ妻」や「汚いホームレスと…」といった描写が確認できる。純愛のみを求める読者は、作品を選別する必要があるだろう。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
短編が多いため、綿密なストーリーよりは、シチュエーションとキャラクターの魅力、そして何より画力とエロ描写に重点が置かれている。多種多様な「実用性」を試す、という楽しみ方が本領だろう。
性癖のデパートで、あなたの“推し”を見つけろ
総合的にAランクと評価する。その理由は、一点の突出した完成度ではなく、選択肢の豊富さと全体のクオリティの高さにある。全ての話が好みとは限らない。しかし、575ページという広大な敷地の中に、必ずや心を揺さぶられる「一話」が埋まっている。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価者は絶賛している。雑誌という形式を最大限に活かした、エロ漫画の「見本市」のような一冊だ。自分の性癖の輪郭を探る旅に、あるいは新たな領域への冒険に、最適なガイドブックとなるだろう。





