レビュー・徹底解説

👤誰向け?多様な性癖を網羅したい貪欲な読者
⚠️注意点一部ハードな描写あり
おすすめAランク

550ページ超えの濃密エロス、アンスリウムの2017年冬の陣

2017年11月に発売された『comicアンスリウム』12月号。総ページ数561Pという圧倒的ボリュームがまず目を引く。純情処女からエロ過ぎるお姉さんまで、多種多様な美少女が登場する。あらすじが示す通り、これは単なる雑誌ではなく「エロスのホットな一番搾り」だ。ラブあり、凌●あり、様々なシチュエーションが詰め込まれたアンソロジー。正直、この厚さと価格を考えると、コスパという点ではまず文句は言えない。久しぶりに「買ってよかった」と思えた一冊だ。

エロ垢女子とリアル凸、丸新先生の肉感描写

巻頭を飾るのは丸新先生の作品。エロ自撮りを晒す女子のもとにリアル凸するというシチュエーションだ。あらすじに「肉感伝わるねっとり誘う」とある。これは期待が高まる表現だ。画面越しのエロさと、実際に対面した時の生々しさ。そのギャップをどう描き分けるか。丸新先生の「肉」の描写力が試される場面だろう。画面の中の彼女と、目の前の彼女。どちらも等しく「実在感」を持たせる作画が求められる。ここで描写が甘ければ作品全体の説得力が損なわれる。逆に成功すれば、読者を一気に作品世界に引き込む起爆剤となる。

「スカートロス」と無防備下半身、丸居まる先生のハーレム

丸居まる先生による「スカートロス」もの。突然スカートが見えなくなるという、ある種ファンタジーな設定だ。タグに「巨乳」「お姉さん」がある。おそらく、むちぷに体形の女性キャラが複数登場するハーレム絵となるだろう。無防備になった下半身というのは、直接的なエロス以上に「羞恥」の感情を揺さぶる。本人たちは気づいていないのか、それから気づいているが故のおねだりなのか。シチュエーションの解釈次第で興奮の質が変わる。丸居まる先生はその「解釈の余地」をどう描き、どう収束させるのか。乱交FUCKとあるから、最終的には豪快な肉体の饗宴が待っている。

幾花にいろ「秘密シリーズ」、想いと肉体の狭間で

幾花にいろ先生の「秘密シリーズ」第5話、里伊那編が掲載されている。あらすじには「分かっていてもうまく言葉に出来ない気持ちを整理出来ずに--」とある。これは幾花先生の真骨頂だ。ただの性交描写ではない。キャラクターの内面の「もやもや」が、性という行為を通じてどう変化(あるいは増幅)するのか。巨乳や中出しといった物理的な快楽の描写もさることながら、その背景にある「想い」の描写が作品に深みを与える。自分はこの「整理できない気持ち」を丁寧にすくい取る幾花先生の筆致に、毎回唸ってしまう。これは単話で読むにはもったいない、シリーズ全体で味わうべき濃密なエロスだ。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

本誌は561Pの超大ボリュームで、単行本1冊分以上のページ数があります。多数の作家の作品を一度に楽しめる点ではコスパ抜群。ただし、気に入った作家の単行本を揃えたいなら、そちらを優先すべきです。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

ほとんどの作品は読み切りなので問題ありません。幾花にいろ先生の「秘密シリーズ」など一部連載物は前後の文脈がありますが、単体でも十分に楽しめる完成度です。むしろ、新たな作家に出会うきっかけとして最適です。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

あらすじに「凌●」の表現や「堕ちていく」「歪んだ姉弟愛」といった文言があります。おそらく、純愛一辺倒ではない、ややハードな心理描写やシチュエーションを含む作品が含まれていると思われます。苦手な方は個別の作品を選んで読む必要があるでしょう。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

作家によって大きく異なります。幾花にいろ先生は心理描写に重きを置くストーリー重視、丸新先生や丸居まる先生は肉感描写を活かした実用性重視といった具合です。一冊で両方を味わえるのが雑誌の強みです。

多様性こそが武器、エロ漫画の博覧会

この号の最大の魅力は、その「網羅性」にある。純愛系のイチャラブから、ややダークなハードプレイまで、エロ漫画が扱う幅広いジャンルが一冊に凝縮されている。読者は自分の好みの作品を探す楽しみと、未知の作家やジャンルに触れる冒険心の両方を満たせる。画風も作家ごとに個性が強く、見ているだけで楽しい。561Pというボリュームは、数日にわたってゆっくり楽しむにも、一気に貪るにも適している。総合的に見て、コストパフォーマンスと作品の質のバランスが極めて優れている。エロ漫画雑誌の醍醐味を存分に味わいたい読者に、自信を持って薦められる一冊だ。

📊 総合評価
Aランク
エロさ★★★★☆
画力★★★★☆
ストーリー★★★☆☆
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