comicアンスリウム Vol.43 2016年11月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
アンソロジーという名の美少女博覧会
アダルトコミック誌の一冊である。これは単なる雑誌ではなく、特定のテーマに縛られない美少女表現の実験場だ。2016年当時、20名以上の作家が集い、それぞれの「美少女」への解釈を競作した。純情処女からエロ過ぎお姉さんまで、キャラクターのバリエーションは豊富だ。あらすじが示す通り、ラブったり、凌●されたりとシチュエーションも多岐にわたる。この雑誌の立ち位置は、読者の好みの幅広さを許容する器の大きさにある。一つの世界観に没入する単行本とは異なり、様々な「肉」の描き方、「表情」の引き出し方を一度に比較鑑賞できる。深夜に読み始めて、気づいたら空が白んでいた。ページをめくる手が止まらないのは、次にどんな美少女が現れるかという期待感ゆえだ。
多様性こそが最大の武器
この作品の独自性は、その圧倒的な作家陣の層の厚さにある。ユキバスターZ、恵比寿丸、なつみかん、宮野金太郎、ユズハ、もけ太、あしもと☆よいか、もものユーカ、チキン、タイラメ、伊藤第九、いちはや、かいづか、ミサキカホ。、桃之助、けものの★、gemu555、クール教信者。これだけの名前が一冊に集結している。しかも、それぞれが「本誌でしか読めない」作品を寄せている。これは単なる寄せ集めではない。各作家が持つ「美少女」の定義が、ページをまたぐごとに更新されていく。キュートな顔立ちとハードなプレイの対比を描く作家もいれば、ふわとろのイチャラブに特化する作家もいる。百合の萌芽を描く視線もあれば、デカっ娘やぽちゃ体型といった身体的特徴に焦点を当てる作家もいる。正直、この画力のバラエティを一度に味わえるのはコスパが良いと思った。
伊藤第九のフィギュア連動企画という仕掛け
さらなる独自性として、人気絵師・伊藤第九先生のコミックとフィギュアの連動企画が初登場している点も見逃せない。これは単なる漫画作品の範疇を超えた、造形美へのこだわりが感じられる試みだ。「ビーチの視線を釘付けのホットな肢体」とある。おそらく、そのコミック内で描かれたキャラクターが立体化される、または既存フィギュアの世界観を漫画で展開するといった企画だろう。視覚的な美しさを重視する読者にとって、二次元のラインが三次元の造形へと接続されるこの仕掛けは、他では得難い体験となる。
美少女アンソロジーの系譜に連なる一冊
この作品が好きなら、同じ「comicアンスリウム」シリーズの他号はもちろん、コンセプトが近いアンソロジー誌も探してみる価値がある。例えば、「COMIC 快楽天」や「COMIC 失楽天」といった定番美少女誌は、作家の重複も多く、好みの作家を見つける足がかりとなる。また、特定の体型や属性に特化したアンソロジー(「ぽちゃちびっくす」など)を好むなら、本作に収録された宮野金太郎先生やけものの★先生の作品が入り口になるだろう。逆に、もけ太先生やユズハ先生のようなイチャラブ・ふわとろ系を追求したいのであれば、作家個人の単行本を追いかける方が効率的だ。本作は、そんな「次に読むべき作品」への豊富な索引としての役割も果たしている。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(単話)そのものです。438ページという膨大なボリュームで20名以上の作家を味わえるため、単体でのコスパは非常に高いです。気に入った作家がいれば、その作家の単行本を追うのが次のステップです。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
各作品は完全に独立した読み切りです。シリーズもの(例:けものの★先生のデカっ娘シリーズ第2話)も、前話の知識がなくても十分楽しめるように描かれています。アンソロジー誌の利点を活かし、どこからでも読めます。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグに「野外・露出」はありますが、過度な暴力やスカトロなどの明示的なタグは見当たりません。ただし、20名以上の作家による多様な嗜好を網羅するため、個々の作品によっては「群衆責め」や「一方的に弄ぶ関係」など、ややハードな描写も含まれる可能性はあります。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作家により大きく分かれます。なつみかん先生の「情緒系エッチ」やgemu555先生の「禁断感情」はストーリー性が強く、もけ太先生やユズハ先生は実用性の高いイチャラブ寄りです。全体的には、短編ならではのシチュエーションの濃縮と、多様な画風による「視覚的実用性」が主軸です。
美少女造形の見本市としての価値
結論から言えば、「美少女」という概念の多様性を、画力という観点から一望したい読者に強くおすすめできる一冊だ。一つの作家の世界に深く浸るというよりは、様々なアプローチで描かれる「可愛さ」と「エロさ」のサンプリングを楽しむ姿勢が合う。438ページという物理的な厚みは、その探索の旅の充実度を保証している。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価した読者からの絶賛が見られる。本レビュー評価としてはAランク。全ての作品が自分の好みに合うとは限らないが、数々の作家の技術に触れ、新たな性癖の萌芽を見つける可能性に満ちている。この肉感、どうやって描いてるんだ、と唸るページが必ずある。それは確約できる。





