リョナキング vol.14のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
| 作品名 | リョナキング vol.14 |
|---|---|
| 形式 | アンソロジー誌(電子) |
| 収録作家 | 氏賀Y太 / つくすん / 阪本KAFKA / 山本賢治 / ひめいよる / みこしろ本人 |
| 主なタグ | 女子校生, めがね, 体操着・ブルマ, パイパン |
| ページ数 | 134P |
| 発売日 | 2021年5月 |
本レビュー評価:作画 ★★★★☆ / エロさ ★★★★★ / ストーリー ★★★☆☆
地獄が満員になると、リョナキングは地上を歩く
言いたいことは山ほどある。だが、まずは落ち着いて聞いてくれ。これは、リョナというジャンルの極北を目指すアンソロジーだ。タイトルに「キング」を冠するだけのことはある。収録される6作品は、いずれも少女たちの「肉体的・精神的苦痛」を活写する。あらすじが「悪夢の狂宴」と評する通り、ここには甘美な痛みなどない。あるのは、読む者の背筋を凍らせるような、狂気と暴力の描写の数々だ。外部評価(FANZA)では3.67点(3件)と、その過激さゆえに賛否が分かれる評価となっている。134ページというボリュームは、まさに「新時代ゴアゴアの実」と呼ぶにふさわしい。覚悟を持ってページを開く者だけが、その真価を知ることができる。
狂気の描写力が生み出す、6つの地獄絵図
各作家が持ち味を遺憾なく発揮した6作品。その核心に迫る。
氏賀Y太の復讐劇「便所虫ゆま」
陰湿ないじめを受けた少女が、悪魔から授かった「言葉で人間を操る力」で復讐を開始する。全裸で教壇に座り、性器を晒しながら宣言するシーンから、狂気のスイッチが入る。ターゲットはクラスの人気者。服を脱がせ、罪を白状させる。これは単なる逆襲ではない。精神を徹底的に破壊する、凄絶なリョナショーだ。タグにある「女子校生」「めがね」は、おそらくこの作品のヒロインを指していると思われる。その無機質な狂気が、読む者に深い戦慄を与える。
つくすんの絶望工場「母親代わりのお姉ちゃんが…」
倒産寸前の工場で、社長の娘が自らの腕を機械に差し出す。そして父親からは「残っている腕も潰して欲しい」と頼まれる。ここにあるのは、経済的困窮と家族の歪んだ関係が生み出す、静かなる絶望だ。暴力がグロテスクに描かれるが、それ以上に「なぜそうせざるを得ないか」という心理描写が胸を締め付ける。正直、読後には重い脱力感が残った。これが「リョナ」の持つもう一つの側面だ。
キノコ人間から少女ミクロまで、多様な恐怖
阪本KAFKAの「NIGHT OF THE HELL FUNGUS」は、キノコ人間化する恐怖を描くバイオホラー。山本賢治の「MICROGIRLS」は、ミクロサイズの少女たちがカマキリやカラスに襲われる、縮小ヒロインものの極致だ。ひめいよるの「少女と少女と地獄絵図」では、親友の裏切りと巨大な虫の襲撃が待ち受ける。みこしろ本人の「聖マルガレタ学園酷」は、近未来の性奴隷施設を舞台にした、全編フルカラーの恥辱苦痛劇。バラエティに富んだ地獄が、134ページに凝縮されている。この画力の密度、どうやって描いてるんだと唸った作家が複数いる。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作はアンソロジー誌(vol.14)です。あらすじによれば、収録作品は単話でも配信されています。6作品全てに興味があるなら、134ページ分がまとまった本誌がコスパ良好です。特定の作家の作品だけ読みたい場合は、単話購入がおすすめです。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
各作品は基本的に完結しています。ただし、「後編」とある作品は前編の知識が必要かもしれません。また、「聖マルガレタ学園酷」はシリーズ物の第2話です。世界観の理解には前話があると良いですが、極上の苦痛描写そのものは単体でも強烈に楽しめます。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
過激な暴力・グロ描写が中心です。タグに直接的記載はありませんが、あらすじから「腕を失う」「腹部を貫く」「キノコ人間化」など、身体的損傷を詳細に描く作品が多いと推測されます。精神的虐待や復讐劇も含まれるため、グロテスク表現が苦手な方は要注意です。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
圧倒的に「描写」と「コンセプト」重視です。リョナというジャンル特有の、苦痛と恐怖を如何に芸術的に(あるいは過激に)表現するかに主眼が置かれています。実用性を求めるというより、一種のホラーやサスペンスとしての衝撃を味わう作品群と言えるでしょう。
買うべき人、手を出すべきでない人
☑ YES!買い
- 氏賀Y太、つくすんなど、収録作家のファンである。
- グロテスクかつ過激なリョナ描写に抵抗がなく、むしろ求める。
- 「少女の苦痛」を描くことそのものに、一種の芸術性を見出せる。
- バイオホラー、サイコホラー、近未来ディストピアなど、シチュエーションのバラエティを楽しみたい。
☐ NO。様子見
- グロ描写や過度な暴力表現が苦手。気分が悪くなる可能性がある。
- いわゆる「抜き作品」としての実用性のみを期待している。
- ハッピーエンドや救いのある物語を好む。本作にはほぼ存在しない。
リョナというジャンルの、一つの到達点
これは、万人におすすめできる作品ではない。しかし、リョナという表現領域に真摯に向き合い、時に過激に、時に芸術的にその境界を押し広げようとする作家たちの「悪夢の狂宴」がここにある。134ページは、決して軽い読み物ではない。読む者の精神に、少なからぬ負荷をかける。だが、その負荷こそが、このアンソロジーの価値だ。外部評価が分かれるのも当然である。それでも、リョナ愛好家の玄人であれば、一度はその狂気に触れるべき一冊だと断言する。買ってよかったと思えるのは、間違いなくそのような読者だけだろう。本レビュー評価はAランク。その挑戦的な姿勢と、圧倒的な描写力に敬意を評する。





