コミックホットミルク 2021年06月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
アンソロジー誌の醍醐味、多様性にこそ価値がある
コミックホットミルク2021年06月号は、その名の通りアンソロジー形式の雑誌だ。478ページという膨大なボリュームの中に、20を超える作家の作品が収録されている。一つの世界観に深く没入する単行本とは異なり、様々なシチュエーション、様々な画風、様々な性癖が詰め込まれた「お楽しみ箱」のような立ち位置だ。正直に言う。この号を手に取る最大の理由は、「次はどんな話が飛び出すか」という期待感にある。純愛からハードな調教まで、幅広いジャンルが網羅されているため、自分の好みの作品を探す宝探しの感覚が強い。外部評価(FANZA)では3.00点(4件)と評価は分かれているが、これは特定の作品への評価が全体の印象を左右しやすいアンソロジー誌の宿命とも言える。
「当たり」を引く確率と、作家発掘の楽しみ
この作品だけの魅力は、その圧倒的な多様性と、未知の作家との出会いにある。あらすじを見るだけでも、クラスの地味女に脅される男子、借金返済のため性玩具にされる女性、悪魔を召喚するJK、巨乳OLに癒される課長など、実にバラエティに富んでいる。画風も、緻密な描写からコミカルなタッチまで様々だ。つまり、この一冊で複数の「単話」をまとめ買いしたような体験ができる。自分が知らなかった作家の作品に「当たり」を引いた時の喜びは格別だ。また、連載作品の途中経過を追えるのも、雑誌ならではの利点と言える。「慟哭の檻」のハードな調教シーンが続く様子や、「妄想・カム・トゥルー」の新連載開始など、単行本を待てない熱心な読者にはたまらない要素が詰まっている。正直、このボリュームでこの価格はコスパが良いと感じた。
玉乃井ぺろの表紙と、カラーコミックのインパクト
もう一つの見どころは、ビジュアル面での豪華さだ。表紙を玉乃井ぺろが飾り、誌面内には阿井田によるカラーコミックが収録されている。電子書籍化されたとはいえ、雑誌ならではの「特別感」を感じさせる演出だ。カラーで描かれた「テコ入れつーばー☆なまちゃんねる」は、視覚的なインパクトが大きく、誌面の華となっている。画集的な楽しみ方もできるポイントだろう。
「快楽天」や「失楽天」の読者なら手に取りやすい一冊
こんな作品が好きなら、と考えると、やはり同じアンソロジー形式の成年向け漫画雑誌の愛読者に刺さる。例えば「快楽天」や「失楽天」といった雑誌で、様々な作家の作品をサンプリングする楽しみを知っている人だ。あるいは、特定の作家にこだわらず、とにかく新しいエロ漫画との出会いを求めている探索型の読者にも向いている。478ページというページ数は、単行本数冊分に相当する。一つの話が合わなくても、すぐ次に全く別の世界が待っている。この「切り替えの早さ」と「選択肢の多さ」が、類似する媒体との最大の共通項であり、強みである。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
「様々な作家の作品をたくさん読みたい」なら本誌が圧倒的にお得です。478ページで単話約20作品分。単行本は気に入った作家の作品をまとめて楽しむもの、本誌は新規発掘とバラエティを楽しむものと用途が異なります。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほとんどの作品は単発またはその号で完結するため、問題なく楽しめます。連載作品(例:「慟哭の檻 第5話」)は前回の内容が分かりやすく回想されることが多いですが、完全な理解にはバックナンバーが必要かもしれません。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじから推測するに、「慟哭の檻」の洗濯ばさみやゆで卵を使った描写、「イジメと復讐と契約の悪魔」などの要素から、ハードな調教や精神的プレッシャーを扱った作品は含まれていると思われます。苦手な方は該当作品をスキップする必要があります。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作品によって大きく異なります。短編でシチュエーションを楽しむ実用性重視の作品もあれば、「春雷」のようなある程度ドラマを感じさせる作品もあります。総合的には、短時間でエロスの核心を突く「実用性」に重きを置いた作品が多いアンソロジー誌の特性と言えるでしょう。
エロ漫画の食べ放題、好き嫌いが分かれるのは当然
結論を言おう。コミックホットミルク2021年06月号は、「エロ漫画のビュッフェ」だ。全ての料理が自分の好みとは限らない。しかし、少量ずつ様々な味を試せる自由さと、思いがけない美味しさとの出会いがある。一つの作家、一つの世界に深くハマりたい人には物足りないかもしれない。逆に、固定観念なく幅広く楽しみたい人、新しい性癖や作家を開拓したい人には最高のプラットフォームだ。この478ページの中に、必ずや「これは!」という一枚絵、一コマがある。自分は「薪に花」のタイトルとあらすじに、妙に心を揺さぶられた。こういうのでいいんだよ、と思わせてくれる作品がきっとある。
