COMIC E×E 57【FANZA限定特典付き】のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言う、アンソロジーは「当たり外れ」だと思っていた
アンソロジー雑誌を手に取る時、正直なところ警戒心がある。複数作家の作品が詰め込まれた雑誌は、どうしても「当たり外れ」が生じやすい。特に「ギャグ・コメディ」と「ラブコメ」のタグが並ぶと、エロと笑いのバランスが崩れないか心配になる。エロが薄すぎて物足りないか、逆にギャグが強すぎてシリアスな場面が台無しになるか。781ページという膨大なボリュームは、その不安をさらに大きくした。果たして最後まで楽しめるのか。正直、半信半疑でページを開いた。
読み進めるうちに、期待が「安心」に変わった瞬間
最初の数作品を読んだ時点で、予想は良い方向に裏切られた。表紙を飾るななお先生の『3Piece』関連作は、まさに「ダイナマイトボディ」の名に恥じない描写だ。義母ミラさんの柔らかくも張りのある肉感は、画面から溢れ出るような生命力に満ちている。一方、夏彦先生の制服JKは「キュン死注意」の通り、甘くて危険な魅力を放つ。このコントラストがいい。硬派なエロと甘いエロが交互に現れるリズムは、飽きさせない。
そして、この雑誌の真骨頂はバラエティの豊かさだ。フルカラーで描かれる温泉旅行編のゆったりとした時間。インモラルな不倫もののピンナップ。ほのぼの百合もののコミックス化告知。これらが一冊に収まっている。一つのテイストに固執しない編集方針が、読者を「次は何が来るか」というワクワクした気持ちにさせる。ページをめくる手が自然と速くなる。思わず「これは沼だ」と呟いてしまった。多様な「好き」を一度に満たせる効率の良さに参った。
「フェチ・アナリスト」視点で見る、制服と身体の造形美
視覚的な美しさを求める読者にも、充分に応える内容だ。ななお先生の描く「肉」は、重力と弾力のバランスが絶妙である。光の当たり方、シワの寄り方、質量感。全てが計算され尽くしている。一方、夏彦先生の制服は「乱れ」に重点が置かれている。衿の緩み、スカートの皺、ほつれたリボン。これらは単なる脱衣の前段階ではなく、感情の高ぶりを視覚化した「記号」として機能する。衣装の描写一つとっても、作家ごとの哲学の違いが楽しめる。これは単なるエロ漫画雑誌ではなく、ある種の「作画見本市」としての側面も持っている。
そして頂点は、フルカラー20ページの贅沢な温泉譚
この雑誌の中で、最も感情が動いたポイントは間違いなく『3Piece〜Append〜』の続編だ。フルカラー20ページというスペシャルな扱いが、その特別感を物語る。温泉という非日常の空間で、二人きりの甘い時間がゆっくりと描かれる。ここには雑誌らしい疾走感はなく、たっぷりと時間をかけた「浸り」の描写がある。湯気の向こうに見える肌の色。湯船に浮かぶ髪の毛のたなびき。カラーだからこそ伝わる、肌の赤みや湯の透明度。エロシーンそのものももちろん濃厚だが、それ以上に「至福の時間の共有」という感覚が強く押し出されている。この作品だけのために購入する価値がある、とすら思わせるクオリティだった。正直、画力と構成力に唸った。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(単話の集合体)です。781ページという膨大なボリュームで多作家の作品を楽しめるため、コスパは非常に高いと言えます。特定の連載を追うなら単行本、多様な作品を一度に味わいたいなら本誌がお得です。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
大部分の作品は単発読み切りなので問題ありません。ななお先生の『3Piece』関連作については、続編的な要素はありますが、キャラの関係性や魅力はこの号だけでも十二分に伝わります。気に入れば過去作を探せば良いので、まずは本誌から入ることをおすすめします。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
掲載されているタグから判断する限り、過度な地雷要素はなさそうです。タグに「NTR」や「暴力」はなく、「処女」「ラブコメ」「お嬢様」などが目立ちます。ただし、岸虎次郎先生の「不倫」を題材とした作品があるため、純愛一辺倒ではない点には留意が必要です。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
バランス型です。ラブコメ要素のあるほのぼの系から濃厚なエロまで幅広く、実用性も高いです。しかし、ななお先生のフルカラー作品のように、じっくりと関係性を描く「読み応え」を重視した作品も含まれるため、ストーリーを楽しむ読者も満足できる構成です。
多様性こそが最大の武器、エンタメとしての完成度
COMIC E×E 57は、アンソロジー雑誌の理想形に近い一冊だ。硬派なエロもあれば甘いエロもあり、ほのぼのもあればインモラルもある。この「なんでもあり」の懐の深さが、読者を飽きさせない。781ページというボリュームは、むしろこの多様性を実現するための必要条件だった。外部評価(FANZA)では5.00点(2件)と高評価を得ているが、その理由がよくわかる。特定の性癖に特化せず、エンターテインメントとしての完成度を追求した結果がここにある。買ってよかった、と思わせてくれる充実の一冊だ。





