COMIC E×E 19のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言うと、雑誌は「沼」だと思っていた
言いたいことは山ほどある。だが、まずは落ち着いて聞いてくれ。アンソロジー雑誌、特に商業誌の周年記念号。それは往々にして「沼」だ。有名作家の寄せ集め。しかし肝心の作品は短く、物足りない。期待を裏切られることが多かった。今回も「令和第1号」「3周年記念」という甘い言葉に警戒していた。719ページという膨大な量は、むしろ「中身の薄さ」を隠すための数字ではないか。そんな疑念を抱きながらページを開いた。正直、期待はしていなかった。
読み進めるうちに、疑念は驚嘆に変わった
まず、カラーページだけで100ページという事実が圧倒的だ。これは単なる数字ではない。編集部の覚悟が感じられる。日吉ハナ、ななお、桂井よしあきといった錚々たる顔ぶれが揃う。しかし、単なる寄せ集めではない。各作家が「E×E」という場で、ある種の「解放」を感じている。商業誌でありながら、濃厚なフェチズムを追求する空気が伝わってくる。ページをめくる手が、次第に速くなっていった。この雑誌は、作家の「本気」を引き出す装置なのかもしれない。
特に、新企画のコンセプトが狂っている。「雑誌の最後(ケツ)で尻(ケツ)を語る」。なまにくATKによる『田尻家の秘ケツ』。あるいは、こもりけいの『お姫様×おしっこ』。これはもはや、フェチの純粋培養だ。読んでいるうちに、ある感覚が蘇る。これは「沼」ではない。「楽園」だ。多様な欲望が、一切の遠慮なく並列されている。自分が求めていたのは、まさにこの「貪欲さ」だった。
そして、この雑誌の本質に気付かされる
この雑誌の真骨頂は、その「多様性」と「濃度」の両立にある。巨乳、NTR、純愛、背徳、変態セックス。タグに「寝取り・寝取られ・NTR」とある通り、背徳感を味わいたい読者にも充分に応える。文雅先生の「禁断の背徳物語」や、おー先生の「背徳感がたまらない」デビュー作は、まさにその典型だろう。しかし、一方で「キュンキュンいちゃラブストーリー」も存在する。この対極的な要素が、同じ紙面に同居している。
ここに、人間の欲望の多面性が露わになる。清純と背徳。純愛と寝取り。それらは表裏一体だ。この雑誌は、読者に「どちらかを選べ」と迫らない。むしろ、「全てを飲み込め」と言っている。719ページという物理的な厚さが、その欲望の受け皿として機能している。正直、このボリュームでこの価格は、コスパという観点では文句のつけようがない。一つの作品に深入りする単行本とはまた違う、雑誌ならではの「散策」の楽しさがある。思わず「これは保存版だ」と唸ってしまった。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
目的による。特定作家の作品を深く楽しみたいなら単行本。多様な作家の「今」を一度に味わい、新たな性癖を発見したいなら、この雑誌は圧倒的コスパ。719ページで多数作家を網羅するため、単行本数冊分の価値はある。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほぼ問題ない。各作品は基本的に短編完結型。シリーズ物(例:ShiBi先生の淫魔シリーズ第四話)も、単体で楽しめるように作られている。作家のインタビューや新企画は、知識がなくても純粋に読み物として面白い。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグに「寝取り・寝取られ・NTR」と明記されている。背徳感や関係性の崩壊を主題とした作品が含まれる可能性は高い。ただし、あらすじから推測するに、スカトロや過度な暴力といったハードコアな要素は主流ではなさそうだ。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
両方の要素が高い水準で混在する。キュンキュンいちゃラブから背徳物語までストーリー性は幅広い。同時に、ヘリを先生や聖シロー先生など、実用性を追求した激しい描写も随所にある。自分の好みに合う作品を探す楽しみがある。
欲望の万華鏡、その名はE×E
これは単なる雑誌ではない。現代のエロ漫画が到達した一つの「結晶」だ。多様な作家が、商業誌という枠組みの中で可能な限りの「個性」を爆発させている。背徳を求めれば背徳が、純愛を求めれば純愛が、過激な肉体描写を求めればそれも用意されている。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価件数は少ないものの、満足度の高さが窺える。本レビュー評価では、その圧倒的なボリュームとクオリティの高さ、そして何より「何でもあり」の貪欲な編集方針を高く評価し、Aランクとする。一つの性癖に縛られず、己の欲望の幅を試したい全ての者に捧ぐ。ここには、きっとあなたの「何か」がある。





