COMIC E×E 15のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
アンソロジーという名の欲望の坩堝
709ページ。この数字を見た時、正直、量産型の薄い作品が並ぶだけではないかと疑った。アンソロジー誌は玉石混交の代名詞だ。特に「寝取り・寝取られ」というタグが付く以上、その深みにはまれるか、浅い水たまりで終わるか。期待と警戒が半々の状態でページを開く。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価件数は少ないものの満点がついている。これは一体、何を意味するのか。
多様性という暴力、その快楽
読み進めるにつれ、疑念は驚嘆に変わった。これは単なる寄せ集めではない。あらすじに列挙された作家たちの名前は、そのまま作品の幅の広さを物語る。純愛から背徳、癒しから盗撮、逆レ●プまで。一つの性癖に閉じこもることを許さない。読者は次々と変わる世界観に翻弄される。心地よい翻弄だ。一つの話に没頭する間もなく、次の刺激が襲ってくる。この編集方針は、ある種の暴力ですらある。しかし、その暴力こそが、退屈という最大の敵を粉砕する。自分が何を求めているのか、さえも忘れさせる圧倒的な多様性。ここには、あらゆる欲望の形が収められていると思った。
巨乳と美少女、その先にあるもの
「巨乳」「美少女」というタグは、確かに多くの作品で体現されている。しかし、面白いのはその扱い方だ。単なる記号として消費されるのではなく、それぞれの作家が独自の解釈で肉付けする。DISTANCE先生の「肉」の描写には、正直、画力だけで買う価値があると唸った。その柔らかさと質量感は、まさに巨乳描写の一つの到達点だ。一方で、袁藤沖人先生のような異才による「海洋不思議青春ストーリー」では、美少女という概念がどこか幻想的で儚いものに昇華されている。同じ要素が、全く異なる文脈で輝く。これがアンソロジーの真骨頂だ。
背徳の香りと、純愛の甘みが交錯する瞬間
そして、最も感情が動いたのは、やはり「寝取り・寝取られ」の要素が匂う作品群と、それとは対極の「純愛」「イチャラブ」作品が隣り合う配置の妙だった。盗撮や逆レ●プの緊張感が残る心に、ふと、しらたまよもぎ先生の「いちゃいちゃでラブラブな幸せックス」が染み込んでくる。背徳の後味に純愛の甘み。このコントラストが、単体では得られない深い味わいを生む。表紙を飾るななお先生の金髪碧眼人妻が象徴的だ。高貴さと淫欲が同居するその姿は、このアンソロジー全体の縮図である。一つの話で満足させず、常に隣の「違う味」をちらつかせる。読者は飽きることなく、700ページという長旅を続けられる。この編集の手腕には参った。
購入前に知っておきたいこと
Q. 709ページもあって読み切れる?コスパは?
1話あたりのページ数は様々ですが、非常に多くの作家が参加しているため、実質数十作品分の内容が詰まっています。1ページ単価で考えれば間違いなくコスパは高いです。全てを一気に読むのではなく、気分に合わせてピックアップする「エロ漫画図鑑」として長く楽しめます。
Q. 掲載作家のファンじゃないと楽しめない?
むしろ、知らない作家を見つけるための媒体として最適です。GOT漫画大賞出身の新鋭から、織田non先生、電気将軍先生などの実力派まで幅広く掲載。自分の好みの画風やテイストを発掘できる、いわば「トレジャーハント」のような楽しみ方ができます。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグに「寝取り・寝取られ・NTR」とあるため、その要素を含む作品はおそらく含まれています。ただしアンソロジーなので、全ての作品が該当するわけではありません。逆に「純愛」「癒し」タグを感じさせる作品も多数あります。特定の要素が苦手でも、他でカバーできる多様性があります。
Q. 実用性とストーリー、どちらが強い?
作家によって大きく異なります。派手なイキ描写に定評のある作家もいれば、心理描写に重点を置く作家もいます。あらすじから推測するに、「えもんず先生」の心理描写や「稍日向先生」のストーリーは読み応えがありそうです。実用性だけを求めるなら、コロツケ先生やDISTANCE先生の作品は間違いないでしょう。
欲望のデパートで、未知の自分と出会う
これを「単なるアンソロジー」と片付けてはいけない。これは、自分の性的嗜好の可能性を探る航海の羅針盤だ。知っている作家の新作を楽しむもよし、未知の作家に衝撃を受けるもよし。時には「寝取り」のドロドロした熱気に身を委ね、次には「純愛」のほんのり甘い世界で息継ぎする。709ページという物理的重さは、そのままコンテンツの濃密さに変換されている。全てが最高峰とは言わない。しかし、これだけのバリエーションを一度に味わえる機会は稀だ。自分の好みの「沼」を、ここで見つけられるかもしれない。電車では絶対に読むな。これは忠告だ。





