COMIC 高 2017年12月号(Vol.19)のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言うと、期待はしていなかった
「欲望を制御し適切に処理できるスマートな大人のための」というあらすじ。正直、鼻につく。女子校生エロ漫画雑誌にスマートもクソもあるか、と思った。さらに外部評価(FANZA)は3.00点。6件と母数も少ないが、評価は高くない。353ページというボリュームは魅力的だが、アンソロジーは当たり外れが大きい。ここだけの話、期待せずにページを開いた。ただ、タグにある「巨乳」「女子校生」「中出し」というキーワードは、確実に本能を刺激する。
読み進める中で、波を感じた
まずは表紙の加茂。端正な顔立ちと、制服の下に膨らむ存在感。期待通り、いやそれ以上の画力だ。ここで少し期待値が上がる。しかし、アンソロジーの宿命か、作家によって作風とクオリティに明確な差が出る。鈴木ひのみ「文系女子と貸した本」のような、淡い恋愛とエロスが交じり合う繊細な作品があるかと思えば、えすお「スイートサマー」のような、夏の日差しと汗ばむ肌を大胆に描く作品も同居する。感情はジェットコースターのようだ。一話読んでは「これはいい」と唸り、次を読んでは「うーん」と首をかしげる。この繰り返し。353ページは長い旅路だった。正直、全ての作品に同じ熱量で向き合うのは難しいと感じた。
多様性こそが武器であり、弱点でもある
「学園もの」という共通項はあるものの、作家ごとの個性が強すぎる。仙道八「イン・ザ・プール」のような、水着と公共空間を活かした羞恥プレイと思われる作品もあれば、成宮亨「ネトラセ彼女」のように、タグから推測するにNTR要素を含むかもしれない作品も収録されている。自分の好みに合う作家を見つけられれば宝の山だが、合わなければページをめくる手が重くなる。この雑誌は、読者の性癖を選ぶ。
そして、ここに至る。一つの頂点
そんな中で、最も印象に残ったのは緑茶イズム「朔の蜜月」だ。画風が独特で、線が柔らかく、キャラクターの表情が豊か。美少女の「美」の部分を、エロスと切り離さずに描いている。ストーリーも、あらすじからは詳細は不明だが、どこか切ない空気感を感じさせた。この作品だけでも、雑誌を買う価値があると思った。アンソロジーは、たった一つの作品との出会いのためにある。353ページを読み終えて、そのことを再確認した。自分はこの一話のために、この雑誌を手に取ってよかったと思える。これが、アンソロジーを読む醍醐味だ。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(マンガ誌)です。353ページでこの価格はコスパが良いですが、収録作品は全てこの号限り。気に入った作家の単行本を追うか、雑誌で多彩な作家を味わうか、好みが分かれます。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
問題ありません。各作品は基本的に読み切りです。ただし、「憧れに溺れて -前編-」「ハローグッバイ -前編-」のように前後編構成の作品もあるため、完全な完結はこの号内では得られない点に注意。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグに明記はありませんが、収録作家によって内容は多様です。「ネトラセ彼女」というタイトルから、NTR要素を含む可能性は推測されます。苦手な方は該当作品をスキップする必要があるかもしれません。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作家によりけりです。ストーリー性の高い作品もあれば、直球のエロ描写に特化した作品も混在します。全体的には「女子校生×巨乳」という実用性の高いテーマを軸に、多様なアプローチで攻めてくるアンソロジーです。
多様性の海で、自分の島を見つけろ
総合評価はBランクとした。外部評価(FANZA)が3.00点と低い理由もわかる。万人に好まれる均質なクオリティではない。しかし、353ページという広大なフィールドには、必ずや読者の心を揺さぶる「一作」が潜んでいる。自分の好みの画風、シチュエーション、エロスの描き方を見つけ出せた者にとって、この雑誌は十分な価値を持つ。アンソロジーは探検だ。未知の作家との出会いを求める冒険心があるなら、手に取る価値はある。





