COMIC E×E 23【FANZA限定特典付き】のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
アンソロジーという器に、作家たちは何を注ぎ込んだのか
アンソロジー誌は、しばしば「寄せ集め」という軽い印象で語られる。しかし、その器には作家たちの「今、描きたいもの」が最もストレートに反映される。『COMIC E×E 23』は、2020年の幕開けに、業界の「現在地」を鮮明に示す一枚の地図だ。ベテランから新鋭まで、総勢20名を超える作家が、それぞれの欲望を研ぎ澄まし、具現化している。ここには、単なる「作品集」を超えた、ある種の業界診断書としての側面がある。各作家が、読者のどの部分を刺激すれば、最も深く、最も熱く反応するのか。その探求の痕跡が、570ページという膨大なボリュームに凝縮されている。これは、覚悟して読んでほしい。
「巨乳」と「NTR」が交差する、欲望の生態系
与えられたタグとあらすじから、このアンソロジーの核となるテーマが浮かび上がる。それは「身体的刺激」と「精神的背徳」の二重奏である。この二つの軸が、多様な作品群にどのように浸透しているのかを検証する。
巨乳という「肉体」の約束
タグに「巨乳」が明記されている。あらすじからも、表紙を飾るななお先生のメイドが「陥没乳首のおっぱい」で奉仕するカラーコミックが掲載されるとある。これは、本誌が「肉体的な視覚的快楽」を強く謳っている証左だ。さらに、ぷるめたる先生の「デカパイ眼鏡お姉さん」や、広弥先生の「褐色ギャル」など、あらすじ上でも豊満な肉体を強調する作品が散見される。このアンソロジーは、読者の本能に直接訴えかける「肉感」の描写を、重要な柱の一つとして据えている。正直、画力だけで買う価値がある作家が何人もいる。
寝取り・寝取られという「精神」の遊戯
もう一つの主要タグは「寝取り・寝取られ・NTR」である。あらすじには「竜太先生が兄嫁寝取りセックスをお届けします♪」との明記があり、このテーマが確実に含まれる。さらに「ここのえ蓬先生、ご主人様の従順なメスに堕ちるJK調教」や「ねいさん先生、不良ガールが告白してきた新入生を逆レ●プ!?」など、権力関係の歪みや支配・被支配の構図が随所に登場する。これは、単なる肉体の交わりではなく、関係性の崩壊と再構築、そこに生じる背徳の快楽に焦点を当てた作品群が存在することを示唆している。自分が読んでいて、この「精神的駆け引き」の部分に最も熱を帯びてしまった。
多様性という名の「総合力」
しかし、本誌はこれらのタグに縛られない幅広さも持つ。「ひなづか凉先生、疎遠になった幼馴染みとのイチャラブ性春」や「栗原ケンシロウ先生、身長凸凹コンビのピュアラブセックス♪」といった純愛・ラブコメ要素。「YU先生が描く、無垢で天真爛漫な褐色少女とのいちゃいちゃ南国スローライフ」のような癒し系。さらには「みな本先生、夢の『武○館』に立つために、アイドルたちが握手会の裏側で『100発搾精チャレンジ』!」という、ある種のギャグと過激さが融合した作品まで存在する。570ページという圧倒的ボリュームは、単なる長さではなく、欲望の「生態系」の豊かさを保証している。
雑誌という媒体が持つ、危険なまでの「生々しさ」
単行本や作家個人の同人誌とは一線を画す、アンソロジー誌の最大の強みは「旬」である。本誌『COMIC E×E 23』は、まさにその典型だ。GOT漫画大賞出身の新鋭(ShiBi、みな本、ねいさん、ここのえ蓬)が、デビューの熱量そのままに「次世代のエロスを担うにふさわしい激シコ作品」をぶつけている。これは、作家が最も尖り、実験的であろうとする時期の作品を、いち早く享受できる機会である。同時に、竜太、雨あられといった「名匠」「人気作」の継続も確実に押さえる。雑誌という形式は、完成された「作品」としての整いより、その時点での作家の「衝動」が剥き出しになった「生々しさ」に価値がある。この熱量の落差こそが、同人誌や単行本集では得難い、アンソロジー誌固有の興奮だ。思わず「これは業界の今を切り取ったタイムカプセルだ」と唸った。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(単話アンソロジー)です。570ページで20名以上の作家を味わえる「コスパ」と「多様性」が最大の魅力。特定の作家の世界観に浸りたいなら単行本、様々な性癖や画風を一度に楽しみたいなら本誌が圧倒的にお得です。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほぼ問題ありません。アンソロジーなので各作品は基本的に完結。あらすじにある「スケベ学園祭シリーズ」や「淫乱サキュバスJKシリーズ」の続編も、単体で楽しめるように描かれていることがほとんどです。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグに「寝取り・寝取られ・NTR」があるため、この要素を含む作品(竜太先生作など)は確実に含まれます。暴力描写についてはあらすじに「逆レ●プ」の表現があり、おそらく強引なシチュエーションを含む作品が存在します。スカトロ等の過激な要素は見当たりません。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作家により大きく分かれます。稍日向先生の「渾身の超大ボリューム48ページ」はストーリー性が期待でき、士嬢マコ先生は「劇的エロラブストーリー」とある一方、多くの作品はシチュエーションと画力による直接的な実用性を重視していると思われます。両方楽しめるバランス型です。
欲望の万華鏡として、確かな輝きを放つ一冊
『COMIC E×E 23』は、アンソロジー誌という形式の可能性を存分に発揮した成功例だ。巨乳や美少女といった視覚的安心感と、NTRや調教といった精神的背徳感を両軸に据えつつ、純愛からギャグまでを包摂する懐の深さ。ベテランの確かな技術と、新鋭の危険なまでの熱量が混ざり合う、まさに「現在進行形」のエロスを体感できる。FANZA限定特典という付加価値も、購入の後押しとなる。全ての作品が自分の好みに合うとは限らないが、その中から新たな性癖やお気に入り作家を見つける探検の楽しみが、570ページに詰まっている。多様な刺激を求める貪欲な読者に、強く推せる一冊である。





