MM22号 いつもの二倍の特大号?のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
5つの異なる「お姉さん」が織りなす、ちょっと変わったアンソロジー
「MM22号 いつもの二倍の特大号?」は、5人の作家によるオリジナル短編集だ。共通項は「女性が主導権を握るシチュエーション」にある。無表情な科学部長、万引きを取り締まる店員、模型を壊した弟の姉、巨大な世界の女性、そして幼なじみの喪女。それぞれが異なる「お姉さん」像を提示し、少年との距離を詰めていく。51ページとボリュームがあり、一冊で多様な嗜好をカバーできるのが強みと言える。ここだけの話、パッと見のタグだけで判断するのはもったいない作品だ。
購入前に気になる、あの疑問に答えます
Q1. 「特大号」とあるけど、本当に読み応えはある?
ページ数は51P。一般的な同人誌の単話(20-30P前後)と比べれば確かに多い。5作品が収録されており、1作品あたり平均10ページ強。短編ながら起承転結はきちんと描かれている。コスパを求める読者には悪くないボリュームだ。
Q2. 「逆転無し」タグが気になる。一方的な感じ?
タグにある通り、作品全体を通して「女性優位」の構図が崩れることはない。少年が主導権を握る展開は期待できない。しかし、これは一方的な「責め」とは少し違う。幼なじみの約束を果たすため、という「愛情」が動機の作品も含まれる。支配ではなく、導かれる関係性を好む層には刺さるだろう。
Q3. 画風や作画のクオリティにばらつきは?
5名の作家によるアンソロジーである以上、画風の統一感はない。あらすじから推測するに、黒白作品が中心で、カラー作品は1つのみと思われる。それぞれの作家の個性が強く出ているため、好みが分かれる部分ではある。逆に言えば、気に入った作家を見つけるきっかけにもなる。
Q4. 「パイズリ」や「インテリ」など、タグの具体的中身は?
「パイズリ」は、エロDVDを万引きした少年を責め立てる店員お姉さんが主体の作品で主に描写されると推測される。「インテリ」は、無表情で知能が高いとされる科学部長のキャラクターを指していると思われる。タグは各短編の主要な要素を端的に表していると言えそうだ。
Q5. ストーリー性はある? それとも実用メイン?
短編ながら、それぞれに小さな物語はある。「幼き日の約束を果たす」「壊したものの弁償をする」など、行動には理由が設定されている。ただし、51ページで5作品を収めているため、深い心理描写や複雑な人間関係まで掘り下げる余裕はない。あくまでシチュエーションを楽しむ作品群だ。
「お姉さん」の多様性が生む、緩やかな支配と甘やかし
このアンソロジーの真骨頂は、一言で「お姉さん」と言ってもその内実が全く異なる点にある。クールで無表情な「才媛」もいれば、一見地味だが決意を持った「喪女」もいる。万引き少年を「お仕置き」する店員も、弟の無理難題に付き合う姉も、皆「年上」という立場から少年に関わる。そこには暴力や恐怖ではなく、ある種の包容力やゆるやかな導きが見て取れる。
特に「約束」と題された幼なじみ編は、タグに「逆レ●プ」とあるものの、その根底には過去の約束という「絆」が横たわっている。彼女が行動を起こす動機は、単なる欲情ではなく、忘れ去られようとしている約束への、ある種切ない執着だ。この「関係性の機微」を、短いページ数の中でどう描いているかが一つの見所となる。
正直、「人間ブラ」という発想には参った。世界観設定そのものが性癖と言えるような、濃いアイデアが散りばめられている。こういう「ちょっと変わったシチュ」を求める読者には、宝の山かもしれない。
多様な「お姉さん体験」を求められるかどうかが分かれ目
では、結局のところこの「MM22号」は買うべきなのか?その答えは、あなたが「お姉さん」という存在にどれだけ多様性を求めているかにかかっている。一つのタイプに深くハマりたい人には物足りないかもしれない。しかし、無表情、インテリ、喪女、厳しめの店員、巨大娘…と、様々な角度から「年上女性×少年」の関係を味わいたい人には、非常にコスパの良い一冊だ。
5つの異なる世界観と関係性が詰まっている。気になるシチュエーションが一つでもあれば、それは十分な購入理由になる。自分は「幼なじみ」と「万引き取り締まり」の二作品が特に好みだった。短編ゆえに物語の深みには欠けるが、その分、エロとシチュの「エッセンス」が凝縮されている印象だ。