レビュー・徹底解説

👤誰向け?多様なシチュを求める人
⚠️注意点特になし
おすすめAランク

お嬢様の制服も、隣人の部着も、すべてが「肉」になる瞬間

パパ活に手を出そうと迷うお嬢様が、秘密を知る同級生に「代わりに自分がバイトするから」と体を要求される。酔って部屋を間違える隣のキャバ嬢が、ある夜は泣き、ある夜は襲いかかってくる。これらは一冊の漫画誌に収められた、ほんの数編のあらすじに過ぎない。しかし、その根底に流れるのは、社会的な仮面(制服、OLスーツ、キャバ嬢の笑顔)が、欲望の前で「肉」へと溶解していくプロセスだ。衣装の質感と、その下に蠢く生身のコントラスト。この号は、そんな視覚的愉悦を多角的に提供する。

雑誌という器に詰め込まれた、多様性という名の混沌

タグが示す通り、この一冊はまさに「混沌」そのものだ。ファンタジー世界の異種間交尾から、現代のマッチングアプリを駆使した昼下がりの不倫まで。女子校生の純白のブラウスも、人妻のほつれたストッキングも、野外で露わになる肌も、すべてが等しく「エロスの対象」として並列に存在する。これは特定の世界観に没入する単行本とは異なる、雑誌ならではの体験である。読者はページをめくるごとに、全く異なる画風、シチュエーション、体温に触れることになる。ある意味で、自分の好みの「発見」の旅でもある。358ページというボリュームは、この多様性を存分に楽しむための、たっぷりとした土壌を提供してくれる。

三つの扉ーー今月号を彩る濃厚なシチュエーション

収録作品全てを語ることはできないが、あらすじから窺える幾つかの「扉」は、この号の魅力を象徴している。

「星乃エリはギリギリ」――張り詰めた優等生の糸が切れる音

雲呑めおによる表紙&読み切り。金銭的逼迫からパパ活に手を出そうとする「普通の女のコ」と、その秘密を握る同級生との駆け引き。ここでの視覚的焦点は、お嬢様学校の制服という「完璧な殻」と、その中で疲弊し、やがて堕ちていく肉体の対比にある。整った髪型、きちんと着こなされたブレザー。その一切が、同級生の手によって乱され、汗と体液で汚されていく過程。社会的地位を保つための「見栄」と、生理的な「欲望」の衝突が、衣装の乱れ方に如実に表れるだろう。自分はこの、崩壊のプロセスそのものにこそ価値を見出した。

「となりですよ!」――酔態が招く、無防備すぎる隣人関係

もじゃりん作品。部屋を間違えては帰っていくキャバ嬢という、コミカルでありながら危険な香りがする設定。鍵となるのは「酔い」という状態だ。酔いは理性の枷を外し、同時に身体の制御を鈍らせる。よろめく足取り、とろけそうな表情、乱れた衣装。これは「計算されたエロス」ではなく、「偶然の産物」としてのエロスである。ある夜は泣き、ある夜は襲いかかる―その気まぐれさが、関係性を固定化しない浮遊感を生む。隣人という近くて遠い関係が、一気に最短距離で結ばれる瞬間の、生々しい体温が伝わってくるようだ。

「カラダリサーチ」――マッチングアプリ時代の効率的な肉体関係

層積作品。「ヤリ手市場」とあらすじにある通り、これは現代的なシチュエーションだ。会社の先輩とアプリでマッチングし、昼からホテルへ直行する。ここにロマンスはない。あるのは互いの肉体を確認し合う、ある種の機能的な関係性。OLスーツというビジネスの鎧を脱ぎ捨て、ただの「女」と「男」になるまでの時間の短さ。その非情なまでの効率性が、逆説的に一種の清涼感すら感じさせる。衣装から肌へ、社会的役割から生物的役割へ。その転換の速さと潔さが、この作品の核と思われる。

多作家競演が生む、表現のパレット

雑誌レビューにおいて画力論は難しい。なぜなら、雲呑めお、もじゃりん、背中が尻、エロ井ロエなど、作家ごとに表現が大きく異なるからだ。しかし、この「違い」こそが価値である。例えば表紙を飾る雲呑めおの作画は、おそらく繊細なラインと、はかなげでありながら肉感的なバランスが特徴だろう。対して「絶滅危機回避ファイル」のようなファンタジー作品では、亜人という非日常的な身体の造形が楽しめる。358ページをめくる手の内に、硬質なペンタッチもあれば、柔らかいスクリーントーン使いもある。ある作家の「汁」の表現に唸り、別の作家の「表情」の描き分けに感心する。この多様性の中から、自分好みの「肉感」を見つけ出す作業自体が、この号を読む一つの楽しみだ。正直、画力の点では当たり外れがあるかもしれない。だが、外れを引いたとしても、すぐ隣のページで新たな発見がある。それが雑誌の強みである。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

「特定の作家が好き」なら単行本、「いろんな作家の作品を試したい」なら本誌がお得です。今月号は雲呑めおの初表紙作を含む16作品を358ページで収録。単行本1冊分以上のボリュームを、より安価に多様なテイストで楽しめます。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

ほぼ全てが読み切り作品のため、問題なく楽しめます。各作品は10〜30ページ前後で完結しており、必要な背景はその中で説明されます。雑誌形式ならではの、気軽に飛び込める入りやすさが魅力です。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

あらすじとタグから判断する限り、過度な暴力やスカトロ等の過激な描写はなさそうです。タグにある「野外・露出」や「羞恥」に類する描写はあると思われますが、多くの作品は比較的普遍的なシチュエーションに基づいています。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

作品によりけりですが、全体的には「シチュエーションの面白さ」と「実用性」のバランスが取れています。駆け引きのあるものもあれば、直球なものもあり。ストーリーを軽く楽しみつつ、作画の良さで選ぶという読み方が最も適しているでしょう。

多様性という名の安心感ーーあなたの好みが、きっとここにある

最終的にこの号に与える評価はAランクだ。Sランクに届かない理由は、雑誌という形式上、全ての作品が自分に刺さるわけではないという当然の事実にある。しかし、その代わりに得られるのは「発見」の可能性だ。表紙作の繊細なエロスに心動かされるかもしれない。あるいは、どこかコミカルな隣人ものに癒されるかもしれない。358ページという広大な海原には、きっと読者の性癖に寄り添う島が一つはある。外部評価(FANZA)では5.00点(2件)と、現時点では高評価だが、件数が少ない点は留意したい。とはいえ、このボリュームでこの価格はコスパが良い。久しぶりに「雑誌をパラパラめくって楽しむ」という古典的だが確実な悦びを思い出させてくれた。画力にこだわる者にも、シチュエーションを求める者にも、何かしらの収穫がある一冊である。

📊 総合評価
Aランク
エロさ★★★★☆
画力★★★★☆
ストーリー★★★☆☆