COMIC失楽天 2022年12月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
「おち●ちん大好き」宣言で始まる痴女たちの宴
「おち●ちんのことに興味津々な選りすぐりの痴女を集めました!!」という煽り文句。これが全てを物語っている。表紙からして、だむ先生の描く柔らかくも主張的な肉感が目を引く。中を開けば、女医、人妻、幼なじみと、バラエティに富んだヒロインたちが待ち構える。彼女たちに共通するのは、男性器への並々ならぬ好奇心と、それを自らの手(と体)で確かめたいという強い欲求だ。まず謝らせてほしい。単なる痴女特集と舐めてた。これは「痴女の多様性」を体現した一冊だった。
狂気と日常が交差する、失楽天らしい濃厚な空気感
この雑誌の魅力は、一冊の中で極端なシチュエーションが並存することにある。巻頭を飾る「親子 後編」は、狂気に満ちた父娘関係という重いテーマを真正面から描く。地獄のような束縛と、そこから逃れようとする少女の絶望が、読む者の胸を締め付ける。一方で、堀博昭先生の「お堅い女の下半身事情」は、一転して明るく能動的な痴女譚だ。表向きは仕事のデキる女医、内面はオナニー狂いのドスケベ配信者。そんなギャップ萌え要素が存分に楽しめる。狂気と笑顔、抑圧と解放。そんな対極のエッセンスが混在するのが、COMIC失楽天という場の醍醐味だ。
今月の見どころを深掘り
176ページに詰め込まれた多彩な作品群から、特に目を引くポイントをピックアップする。
「親子 後編」――終わらない呪縛と救済の行方
絶望の底で初めて好きになった相手・修也にまで欲望をぶつけられ、傷ついた真鈴。彼女の前に再び現れるのは、最も恐れる父の姿だ。ハニートラップ、明かされる狂気の過去。この作品は単なる近親ものではなく、「愛」という名の支配から抜け出せない少女の悲劇として描かれている。結末が気になり、ページをめくる手が早くなる。救いはあるのか、それとも地獄のままなのか。ストーリー性の高い一本だ。
堀博昭「お堅い女の下半身事情」――完璧淑女の裏の顔
帯広飛鳥、29歳の女医。その正体はオナニー配信に勤しむドスケベだった。オフ会で出会った年下男子に子宮が疼き、個別撮影ではたっぷりオナニーを見せつける。授乳手コキで優しくシコシコし、我慢できずに騎乗位で筆おろし。ここでの魅力は、社会的地位と内面のギャップを楽しむシチュエーションにある。冷静な医療従事者としての顔と、男根に貪欲な痴女としての顔。その二面性が、興奮を倍増させる。自分もこんな女医さんに診てほしい、と思わせてくれる。
バラエティ豊かなヒロインたちの“チン媚び”
巻頭の重厚な二本以外にも、見逃せない作品が揃う。ナマイキに煽るサンタコスの幼なじみ、どうしても孕みたいと迫る人妻、保健室でこっそり男子の精を搾り取る陰キャ女子。どのヒロインも「おち●ちん」を主題に据えつつ、それぞれの動機とアプローチで男を翻弄する。痴女と言っても一様ではない。わがままな子もいれば、一途な子もいる。このヒロインの多様性こそが、雑誌の最大の強みだ。必ず一本は自分の好みに刺さるヒロインが見つかるはず。
誌面を彩る多彩な画風と、確かな描写力
マンガ誌の利点は、複数作家の画風を一度に楽しめることだ。表紙を担当するだむ先生の、ふっくらとした柔らかい肌質と、どこか物憂げな表情が印象的。堀博昭先生の作画は、女医・飛鳥の知的な雰囲気と痴女らしい妖艶な表情の切り替えが見事だ。巻頭の「タカシ」先生作品は、陰影の強い画面構成で、登場人物の苦悩や狂気を視覚的に表現している。汁の表現も作家ごとに特徴があり、たっぷりと滴るもの、飛び散るもの、とろりと絡みつくもの。描写のバリエーションを比較するだけでも楽しい。正直、画力の面ではどの作品も水準以上で、誌面のクオリティは高いと感じた。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
今回レビューしているのは「雑誌」です。単行本未収録の読み切りが多数掲載されており、176ページとボリュームがあります。気になる作家の単行本を買うか、様々な作家の作品を一度に楽しみたいかで選択が分かれます。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほとんどの作品は読み切りなので問題ありません。ただし、巻頭の「親子 後編」は前編がある続き物です。あらすじである程度状況は把握できますが、より深く理解したい場合は前編もチェックすることをおすすめします。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
巻頭作「親子 後編」は近親ものに加え、狂気的な束縛やハニートラップといった重めの要素を含みます。他の作品は比較的明るい痴女ものが中心ですが、作品ごとのテーマは異なるため、目次で確認するのが確実です。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作品によって大きく異なります。巻頭作はドラマ性が強く、他の多くの作品はシチュエーションと痴女の積極的な誘惑・プレイを楽しむ実用性重視の傾向です。一冊で両方を味わえるバランス型と言えます。
痴女の“多様性”を体感する176ページ
総合してBランクと評価した。その理由は、クオリティの高い作品が揃っている一方で、巻頭作の重いテーマが全体のトーンにやや影響を与えていると感じたためだ。しかし、「痴女」というジャンルを「男を弄ぶ」だけではない多面的な角度から見せてくれた点は高く評価したい。悲劇的な痴女もいれば、楽しそうな痴女もいる。176ページというボリュームは、その多様性を存分に堪能するには十分だ。年上ヒロインや能動的な女性が好きな読者には、きっと満足のいく一冊だろう。
