レビュー・徹底解説

👤誰向け?幅広い性癖を探求したい人
⚠️注意点浮気・背徳要素あり
おすすめSランク

367ページの「新性活応援号」という名の豪華絢爛

表紙を開く前から、その厚みに驚いた。367ページというボリュームは、単行本一冊分を軽く超える。これが雑誌だという事実に、まずコスパの高さを感じずにはいられない。そして「新性活応援号」というキャッチコピー。これは単なる煽り文句ではない。収録されている作品群が、まさに「新しい性の楽しみ方」を提案するラインナップで構成されている。ホムンクルス、えーすけ、もじゃりん、翁賀馬乃助……。そうそうたる作家陣の名前が並ぶ。これは、電車では絶対に読むな。これは忠告だ。自宅で腰を据えて、じっくりと楽しむべき一冊だ。

表紙から始まる、多様な「恋愛」の形

一見すると、様々なシチュエーションの寄せ集めに見えるかもしれない。しかし、じっくり読み込むと、この号には一本の太い軸があることに気付く。それは「恋愛の一歩手前、あるいはその先」を描くことだ。単純な純愛でも、無感情なハメ撮りでもない。人間関係の「ずれ」や「危うさ」をエロスの源泉として昇華させている作品が多い。

「浮気」という背徳感の美学

巻頭を飾るえーすけ先生の「あうとろ」はその典型だ。あらすじにある通り、セックスしないと出られない部屋に閉じ込められた男女。彼氏がいる女性と、漫研の仲間の男性。この不条理な状況が、抑えていた感情を暴き出す。ここでのエロスは、単なる肉体の交わり以上に、禁断を犯す背徳感そのものから生まれている。自分が読んでいて、「これはまずいんじゃないか」と思いながらも、ページをめくる手が止まらなかった。関係が変容する瞬間の、微細な心理描写が秀逸だ。

行動力が生む、現実的な夢

一方、ホムンクルス先生の表紙連動作品「One Way Lover」は、より現実に根差したアプローチを見せる。童貞の主人公が、バイト先の「超ハードル高めな巨乳美女」にアタックして成功する。この「行動が夢を実現させる」というテーマは、ある種の応援歌のように響く。願っているだけでは何も始まらない。一歩踏み出す勇気が、想像を超えたエロスを連れてくる。こういうのでいいんだよ、と思わせてくれる清々しさがある。

多様性こそが雑誌の真骨頂

さらに、この号はそれだけに留まらない。配信者との疑似恋愛、マッチングアプリでの出会い、長年の女友達との婚前交渉、クールな女執事との主従関係……。まさに「新たな性活を彩る」というキャッチコピー通りのバラエティだ。それぞれの作品が、異なる「関係性」と「エロス」の接点を探求している。一つの性癖に偏ることなく、様々なシチュエーションを試食できるのが、雑誌という媒体の最大の強みだ。正直、このラインナップの濃さは異常だ。

雑誌ゆえの「当たり外れ」という現実

もちろん、全ての作品が万人に刺さるわけではない。20近くの作品が収録されている以上、好みが分かれるものもあるのは事実だ。特に、背徳感や浮気を題材にした作品は、純愛一筋を求める読者にはやや抵抗を感じさせるかもしれない。また、連載作品の一話である場合、物語の完結をその号だけで味わえないものもある。しかし、逆に言えば「ここが好きなら最高」という作品に必ず出会える。367ページという広大なフィールドで、自分の新しい性癖を見つける旅に出る感覚だ。外れがあっても、当たりの衝撃がそれを上回る。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

本誌は367ページで単行本超えのボリューム。複数作家の最新作を一度に楽しめる「コスパ」と「新鮮さ」が最大の魅力。特定作家の単行本を集めるのとは別の価値がある。まずは雑誌で気になる作家を見つけるのがおすすめ。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

ほぼ全ての作品が読み切り形式。シリーズ物でも、その号で完結する形で収録されているため、前提知識は不要。各作家の入門編として最適。気に入った作家の過去作を探す楽しみも生まれる。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

あらすじから推測するに、浮気や背徳をテーマにした作品は複数含まれる。ただし、過度な暴力やスカトロなどの過激描写は見受けられない。全体として「人間関係の機微」を描く作品が中心と思われる。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

バランスが取れている。心理描写に重点を置くストーリー性の高い作品もあれば、シチュエーションそのものを楽しむ実用性重視の作品もある。画力も作家によって様々で、作画カロリーがおかしい作品も少なくない。

2022年春、エロ漫画雑誌の一つの到達点

結論から言おう。これは買いだ。特に、特定の作家やジャンルに縛られず、エロ漫画そのものの「多様性」を楽しみたい読者に強くおすすめしたい。一冊で、様々な作家の最新の「肉」と「恋」と「背徳」を味わえる。外部評価(FANZA)で4.85点(13件)という驚異的な高評価も納得のクオリティ。これは単なる雑誌の一冊ではなく、その時代のエロ漫画がどこまで来たかを示す、一種のアンソロジーだ。自分の未知の性癖を発掘する、冒険の書として手に取ってほしい。

📊 総合評価
Sランク
エロさ★★★★★
画力★★★★☆
ストーリー★★★★☆