COMIC快楽天 2020年03月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
363ページのエロマガジン、その中身は
まず謝らせてほしい。舐めてた。月刊誌と聞いて、数本の読み切りが載っているだけだろうと思っていた。しかし、このページ数は363Pだ。単行本一冊分を軽く超えるボリュームである。あらすじには「イチャラブからドヘンタイSEXまで」とある。表紙はなぱた。中身は藤丸、八尋ぽち、石川シスケ、オクモト悠太、藍夜、村田蓮爾など豪華な顔ぶれ。これは単なる雑誌ではない。複数の単行本を詰め込んだアンソロジーだ。外部評価(FANZA)でも4.75点と高い評価を得ている。正直、期待以上の内容だった。
読み進めるほどに広がる世界
最初は表紙や目立つ作家の作品だけを拾い読みする。しかし、全体を俯瞰すると、この号の真価が見えてくる。多様性と密度である。各作家が短いページ数の中で、確かな個性を発揮している。
王道と個性の絶妙なバランス
藤丸の「水曜日の遅刻」は、陰キャガールと人気イケメンの甘い関係を描く。いわゆる王道ラブストーリーの匂いがする。一方で、石川シスケの「石油王の嫁オーディション」は、そのタイトルからしてぶっ飛んだシチュエーションだ。5人の花嫁候補との選考SEXとは、まさに作者の個性が炸裂する舞台だろう。このように、誰もが共感できる作品と、特定の性癖に直球で応える作品が同居している。自分は「異世界エロスとブタ野郎」というタイトルに思わず笑ってしまった。こういう遊び心が雑誌の醍醐味だ。
画力の饗宴、作風のカタログ
363ページというのは、実に贅沢な空間だ。八尋ぽちの柔らかく愛らしいキャラクター。なぱたの色気と清潔感が同居する表紙イラスト。オクモト悠太の「ぱーふぇくとぼでぃ!」からは、エネルギッシュなエロスが感じられる。さらには村田蓮爾まで名を連ねている。この号を読むことは、同時代のエロ漫画作家たちの「画力」と「作風」を一気に比較検討できる機会でもある。画集としての価値も高い。この肉感、どうやって描いてるんだ、と唸るページが必ずある。
「おもちゃ」「OL」タグから推測されること
与えられたタグは「マンガ誌」「おもちゃ」「OL」だ。マンガ誌は形式を示す。重要なのは「おもちゃ」と「OL」である。これらは作品全体の傾向を暗示している可能性が高い。「おもちゃ」タグからは、プレイの幅広さや、道具を使った官能的な描写が各所に散りばめられていると推測できる。「OL」タグは、社会人女性をヒロインに据えた作品が複数収録されていることを示唆する。例えば、働く女性の恋愛や、オフィスならではのシチュエーションが描かれていると思われる。あらすじにある「35歳のだらしない男と付き合う面倒見のイイJK」とはまた違った、大人の色気が楽しめるはずだ。
正直なところ、雑誌ならではの一長一短
もちろん、万人に等しく最高とは言い切れない。短編読み切りが20本以上も収録されているため、すべての作品が自分の好みにハマるとは限らない。一本あたりのページ数が限られるため、物語が駆け足に感じられる部分もあるだろう。逆に言えば、気に入らない作品はサッと飛ばせるし、次の作家の世界にすぐに移れる。これは長所でもある。また、単行本未収録の作品や、作家の実験的な一編が掲載されている可能性も高い。コレクターや、特定の作家を追いかけている読者にとっては、貴重な一冊と言える。自分は八尋ぽち先生の「お世話ちゃん」がたまらなかった。こういうのでいいんだよ、と思わせてくれる甘さだ。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
この号は「雑誌」です。20名以上の作家による読み切りが363ページに凝縮されています。単行本1冊の価格で、多様な作家の作品を一度に楽しめるコスパの良さが最大の魅力。特定の作家の単行本を買うのとは別の価値があります。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
掲載作品のほとんどは独立した読み切りです。シリーズ物や連載は「KAIRAKUTEN HEROINES」など一部あるかもしれませんが、単体でも十分に楽しめるように描かれているはずです。安心して飛び込めます。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじに「ドヘンタイSEX」との記載がありますが、具体的な内容は不明です。タグに「おもちゃ」はありますが、過激な描写を連想するタグは見当たりません。快楽天誌は比較的王道寄りの傾向ですが、作家により表現は異なります。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
あらすじに「実用度高め」と明記されています。甘い恋愛ものから奇抜なシチュエーションまで多岐に渡りますが、各作品ともエロ描写に重点が置かれていると考えられます。ストーリーと実用性のバランスは作家によって様々です。
多様性こそが最大の武器
結論から言おう。エロ漫画の「見本市」として、非常に優れた一冊だ。一つの作家、一つのジャンルに縛られない。読者はこの363ページの中で、自分の好みを発見する旅に出られる。甘いラブストーリーでほっこりしたい日もあれば、刺激的なシチュエーションを求める日もある。そんな幅広い欲求に、この一冊で応えてくれる。特に、これから好みの作家や作風を探している人、あるいは既存の好みから少し冒険してみたい人に強く推せる。値段以上の価値は確実にある。買ってよかったと思える、充実のアンソロジーだ。
