レビュー・徹底解説

👤誰向け?多様な画風とシチュを求める人
⚠️注意点特になし
おすすめAランク

正直に言うと、アンソロジーは不安だった

アンソロジー誌を手に取る時、いつも一抹の不安がよぎる。作家ごとの作画レベルの差が気になるからだ。特に「巨乳」「小柄」「人妻・主婦」「めがね」「メイド」と、タグが示す方向性は明確だ。これらを描き分ける画力が、各作家に備わっているのか。それとも、単なるタグの羅列に終わるのか。403ページというボリュームは、期待と不安を同時に膨らませた。正直、当たり外れの大きい賭けだと思った。しかし、表紙を描くのが関谷あさみと知り、少しだけ期待を込めてページを開くことにした。

読み進める中で、驚きの連続だった

最初の数ページで、予想は見事に裏切られた。関谷あさみの表紙は、プールサイドの光を浴びた女性の肌を、水の質感とともに見事に描き出している。水滴が光を反射する一瞬を、確かな筆致で切り取っていた。これは序章に過ぎない。丸和太郎の「すべてをあなたに」では、新婚旅行という甘いシチュエーションが、柔らかく温もりあるタッチで表現される。一方、平いっすいの「イケない穴の好奇心」は、タイトル通りの過激なテーマを、くっきりとした線と大胆な構図でぶつけてくる。画風の違いが、かえって作品世界の切り替えを鮮やかにしてくれる。Ken-1の「性なるカナ」では、百合というテーマが、繊細で妖しい線によって昇華されている。一冊の中で、純愛から猟奇的なものまで、視覚的体験が次々と更新されていく。思わず「このボリュームでこのクオリティはすごい」と唸ってしまった。

衣装と身体の、多様な「質感」

各作家が「質感」に対して並々ならぬこだわりを見せている点も印象的だ。メイド服のフリルの軽やかさ、眼鏡のレンズが曇るほどの吐息、人妻の柔らかい肌に食い込む下着のライン。同じ「巨乳」でも、丸和太郎笔下のそれは母性を感じさせる柔らかさであり、平いっすいのそれは官能的な張りを持っている。小柄な体型の描き分けも秀逸で、可憐さと情熱的な動きの対比が効果的だ。視覚的な情報量が圧倒的で、一枚の絵から伝わる物語性が濃厚だった。これは、画力に対する作家たちの確かな矜恃を感じさせる。

そして、ここに至る。アンソロジーの新たな可能性

感情が最も動いたのは、一冊を読み終えた後の充実感だ。通常、アンソロジーは「好きな作家の作品だけ読めばいい」という消費になりがちだ。しかし、この号は違った。異なる画風、異なるシチュエーションが連続して提示されることで、読む側の「見る目」が刺激され、研ぎ澄まされていく。純愛ものの甘い余韻が残る中で、次のページで大胆な描写が飛び込んでくる。そのコントラストが、かえってそれぞれの作品の魅力を際立たせている。一つの世界に浸り続ける単行本とはまた違う、多様なエロスを短時間で体験できる「旅」のような感覚。これが、この雑誌の最大の強みだと気付かされた。正直、画力のバラつきを心配していたが、むしろその多様性が財産だった。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

本誌は403ページで多数作家が掲載されるアンソロジーです。特定の作家が好きなら単行本、様々な作家の作品を一度に楽しみたいなら本誌がお得です。コスパと作品発掘の面で優れています。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

ほとんどの作品は短編完結型なので問題ありません。あらすじにある「イケない穴の好奇心」の続編など、一部シリーズ物もありますが、単体でも十分楽しめる構成です。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

タグから判断する限り、過度な地雷要素はなさそうです。内容は「巨乳」「人妻」「メイド」などのフェチ要素と、純愛から猟奇的なものまで多岐に渡りますが、過激な描写は作画の一部として収まっています。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

作家により大きく異なります。丸和太郎やはるきちはストーリー性が強く、平いっすいや朝峰テルは実用性が高い作風です。一冊で両方を味わえるのが本誌の魅力と言えます。

多様性こそが、この一冊の真骨頂だ

最終的に、この「COMIC BAVEL 2018年10月号」はAランクと評価した。Sランクに届かなかった理由は、あくまでアンソロジーであるがゆえの「好みの偏り」が生じうる点だ。全ての作品が万人に刺さるわけではない。しかし、その多様性そのものが価値であると気付かせてくれた。関谷あさみ、丸和太郎、平いっすい、Ken-1、はるきち…そうそうたる作家陣が、それぞれの美学を惜しみなく披露している。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、限られた評価ではあるが、その内容には納得できる。電車では絶対に読むな。これは忠告だ。ページをめくるたびに変わる世界観に、きっと目が奪われるはずだから。

📊 総合評価
Aランク
エロさ★★★★☆
画力★★★★★
ストーリー★★★☆☆