COMIC失楽天 2018年12月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言うと、アンソロジーは「当たり」を探す旅だ
アンソロジー雑誌を手に取る時、いつも思う。全作品が好みとは限らない。むしろ、数ある中から「神」を見つけるのが醍醐味だ。2018年12月号の『COMIC失楽天』。表紙のmomi先生描くバイク女子に期待は高まる。しかし、あらすじに「初登場作家も続々」とある。未知の作家との出会い。それは期待と不安が混ざる、複雑な気分だ。285ページというボリュームは、その旅の長さを物語っている。
読み進める中で、好みの「沼」が次々と現れた
まず表紙連動のフルカラーから始まる。momi先生の描く「肉棒サドル」は、文字通り肉感的だ。バイクと絡めたシチュエーションの妙に、思わず唸った。ページをめくると、世界は一変する。中乃空先生の褐色トレーナーは、筋肉の描写が圧倒的だ。ジムという非日常が、欲望を加速させる。dotsuco先生初登場の「嫁ぎ先」では、ヤン妻の「口ではイヤがってもカラダは正直」な葛藤が、背徳感を煽る。正直、この3作品だけでも価値はあった。しかし、旅は続く。utu先生の「くちなわのきみ」は、独特の柔らかくも淫らなタッチが目を引く。おでん70先生初登場の「清楚の裏側」は、タイトル通りJKの二面性が刺激的だ。16作品という多様性が、読むリズムを作る。一つの世界に飽きる前に、次の扉が開く。
画風のコントラストが、飽きさせない
フルカラー作品の鮮烈さ、モノクロの濃淡で表現される肌の質感。作家によって全く異なる「女体」の描き方。これはアンソロジーならではの楽しみだ。桃月すず先生の甘い世界観から、あらくれ先生の切ないネトラレ劇まで。感情の振幅が大きい。深夜に読み始めて、気づいたら空が白んでいた。285ページは、確かに重い。しかし、その重さは「読み応え」に正比例していると感じた。
そして、ここに至る。多様性こそが最大の武器だ
最も感情が動いたのは、やはり「発見」の瞬間だ。知らなかった作家の名前が、自分の「推し」リストに加わる。あらすじにある「このSEXがすごい」というキャッチコピーは誇張ではない。各作家が、持ち味を最大限に発揮した「すごい」シーンを提供している。表紙のmomi先生の大胆さもさることながら、初登場作家たちの意欲作が光る。特に「清楚の裏側」のタイトルと内容のギャップには参った。アンソロジーは、時に単行本以上に作家の「現在地」を感じさせてくれる。この号は、まさにそんな一期一会の魅力に溢れていた。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
16作品285ページでこの価格は、コスパという点では雑誌が圧倒的です。ただし、特定の作家の作品だけを繰り返し楽しみたいなら、後日の単行本収録を待つ選択肢も。まずは多様な「肉」を味わいたい人向けです。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
全て読み切り作品なので、問題ありません。各作品はその短いページ数の中で完結しており、すぐに本題に入ります。アンソロジー雑誌の利点を最大限に活かした構成です。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグから推測する限り、過度な地雷要素はなさそうです。ただし、「ネトラレ記念日」という作品タイトルから、おそらくNTR要素を含む作品は1編存在します。他の作品は純愛や日常的な痴話喧嘩が中心と思われます。
宝石箱を開けるような、一期一会の興奮
本作は、いわば豪華な宝石箱だ。全てが最高級の宝石とは限らない。しかし、好みの輝きを見つけた時の喜びは大きい。外部評価(FANZA)では4.00点(2件)と高評価だが、これは多様性の中から自分なりの「当たり」を引けた読者の満足度の表れだろう。総合してBランクと評価する。理由は、全16作品というボリュームに対して、個人の好みに100%フィットする保証はないからだ。しかし、その「探検」自体に価値がある。巨乳好きならば、きっと数珠つなぎに「沼」にはまる作品が見つかる。画風の旅に身を委ねてみたい人に、熱くおすすめしたい。
