COMIC BAVEL 2020年8月号 【デジタル特装版】のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
525ページに詰め込まれたエロスの祭典
月刊化5周年を記念した、コミックバベルの超特別号だ。総勢24作家による描き下ろし記念冊子付き。表紙はしおこんぶが担当している。本誌には、ささちん、大嘘、ひらやん、みぞね、花札さくらの、ミナトイトヤなど、そうそうたる作家陣が集結。さらに新人賞受賞作や過去の人気作も特別収録されている。一言で言えば、エロ漫画の「見本市」だ。様々な作家の様々な性癖が、一冊に凝縮されている。正直、このボリュームでこの価格は破格だと思った。
玩具で克服する内気な性格と、魔法のオナホによる復讐劇
ささちんの『乃々花れっすん』は、内気な性格を玩具で克服する物語だ。あらすじからは「強●絶頂猛特訓」とある。おそらく、最初は恥ずかしがるヒロインが、玩具の刺激によって次第に快楽に目覚めていく過程が描かれる。羞恥プレイと調教の要素が期待できる。一方、大嘘の『オナホ教室-新学期-レッスン1』は、かつて女子生徒の言いなりだった教師が逆転する復讐劇だ。「魔法のオナホで精液注入の徹底性指導」というあらすじが全てを物語る。支配と被支配の関係が逆転する、一種のカタルシスを感じさせる作品だろう。
脚線美の罠と、異種族を跨いだ純愛ファンタジー
ひらやんの『girl-to-man』は、脚フェチ男性とドSな女性の主従関係を描く。あらすじに「脚線美の裏に潜む甘美な罠」とある。見た目とは裏腹な、強引で支配的な女性による誘惑がテーマと思われる。対照的に、みぞねの『異邦ノ乙女シリーズ1 愛しのオーク様』は、ケンタウロスの聖女とオーク戦士の異種族ラブストーリーだ。可憐なヒロインと屈強な男性という構図は、巨乳やミニ系といったタグとも相性が良い。ファンタジー設定が現実の倫理観を緩和し、純粋なエロスに没入させてくれる。
純愛のその後と、背徳に堕ちるNTRの快楽
花札さくらの『僕を一生たすけてください 最終話』は、人気純愛シリーズのアフターストーリーだ。大団円から一年後の、カップルの日常を描く。安心感のある甘いエロスが期待できる。その対極に位置するのが、ミナトイトヤの『葛城さんが堕ちるまで』だ。タグに「NTR」は明記されていないが、あらすじの「衝撃のNTR姦」「背徳姦」という表現から、その要素が強いと推測される。快楽に蝕まれ、堕ちていく過程の描写に重点が置かれているだろう。一冊の中で、純愛と背徳という両極端の味わいを楽しめる。
購入前に知っておきたいこと
Q. 525ページもあって読み応えはある?
24作家の作品に加え、新人賞作や過去作も収録された大ボリュームです。一つの性癖に偏らず多様な作品を楽しみたい人には、コスパが極めて高い一冊と言えます。数日かけてゆっくり楽しむのがおすすめです。
Q. 連載作品の途中からでも大丈夫?
『オナホ教室』『ユキトキ』などは続編ですが、各話完結型の雑誌作品が中心です。あらすじである程度の前提は説明されるため、単体でも十分楽しめる作りになっています。むしろ新章やアフターストーリーから入るきっかけになるでしょう。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじから、『葛城さんが堕ちるまで』には明らかなNTR・背徳要素があります。また、羞恥プレイや軽い調教要素を含む作品も複数収録されています。一方で極端なグロテスク描写は見当たらないため、一般的なエロ漫画の範囲内と言えます。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作家によって大きく異なります。純愛ものはストーリー性が、羞恥や調教ものはシチュエーションと描写そのものが主眼です。多種多様な作品が入っているため、自分の好みに合う作品を数本見つけられれば、実用性も十二分に高いと言えるでしょう。
エロ漫画の博覧会で、新たな性癖と出会う
本誌は、一つの作家の世界に深く浸る単行本とは異なる価値を持つ。様々な作家の「一番のお気に入りキャラ」が集う場だ。つまり、各作家のエッセンスが凝縮された作品群を一度に味わえる。読者は知っている作家の新たな一面にも、まだ知らない作家の魅力にも出会える。525ページという圧倒的な分量は、探索する楽しみを保証してくれる。久しぶりに「買ってよかった」と思えた。自分の好みの範囲を少し広げてみたい、あるいは雑誌の熱量を感じたい全ての読者に、自信を持って薦められる一冊だ。
