COMIC快楽天ビースト 2017年7月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
2017年の夏、快楽天ビーストが放った濃厚な一撃
COMIC快楽天ビースト 2017年7月号は、その名の通り「ビースト」の名にふさわしい、野生的でエネルギッシュなアンソロジー誌だ。353ページというボリュームは、複数の作家による多彩な作品を収録している証拠。あらすじからは、赤城あさひ、kakao、桜去ほとりなど、当時勢いのあった作家陣の名前が並ぶ。防御力ゼロの女騎士や、ネクタイだけのビジネスマンなど、様々なシチュエーションが詰め込まれている。一言で言えば、「ビッチ」というテーマを軸に、各作家が思い思いのエロスを炸裂させた、2017年夏の熱い一冊である。発売から数年経つが、当時の熱気を今に伝えるタイムカプセルのような作品だ。
購入前に知っておきたい5つの疑問
Q1. アンソロジー誌って、結局どうなの?
一つの長編ではなく、複数の作家による読み切り作品の集合体だ。メリットは、一冊で様々な画風・シチュエーションを楽しめること。気に入った作家を見つけるきっかけにもなる。デメリットは、好みの作品とそうでない作品が混在すること。353ページあれば、必ずや刺さる一篇は見つかるだろう。
Q2. 「ビッチ」タグの具体的な内容は?
あらすじに「マン嬢ビッチ」や「防御力ゼロの女騎士」とある。これらから推測すると、自らの欲望に忠実で、積極的な女性キャラクターが多く登場すると思われる。受け身ではなく能動的で、時に貪欲なまでのエロスが描かれている可能性が高い。
Q3. 掲載作家の画風や特徴は?
あらすじに名前のある作家を中心に見ると、kakao先生の「揉みしだく」描写や、桜去ほとり先生の「反復タテトビ」といった表現から、動きのある肉体描写や、独特の擬音表現にこだわりがある作家が多い印象を受ける。誌面全体として、ダイナミックでパワフルな作画が期待できる。
Q4. ストーリー性はある?それより実用性重視?
アンソロジー誌の読み切りは、綿密なストーリー展開より、シチュエーションそのものの魅力や、エロシーンの密度で勝負する傾向が強い。本誌も、様々な「状況」をパッケージングした、実用性の高い作品群が中心と思われる。深い人間ドラマを求めるより、目の前のエロスを楽しむ姿勢が合っている。
Q5. 353ページって、コスパはどうなの?
単行本1冊がだいたい200ページ前後であることを考えると、ページ単価で見れば非常にコスパが良いと言える。ただし、全てがフルカラーや特定の作家によるものではない点には注意。複数作家の作品をたっぷり楽しみたい人には、十分なボリュームだ。
Q6. 古い作品(2017年)を今買う価値は?
漫画雑誌は、その時々の作家の「現在地」を記録するものだ。今では大物作家となった方々の、当時の勢いや実験的な作風を感じ取れる貴重な資料という側面がある。好きな作家のルーツを探る楽しみもある。画風の変遷を追うのも、マニアならではの愉しみ方だ。
「ビッチ」という言葉の向こう側にあるもの
「ビッチ」というタグは時に一面的な解釈をされがちだ。しかし、この2017年7月号のあらすじを仔細に読むと、単なる「好き勝手な女性」という枠には収まらない多様性が窺える。例えば「防御力ゼロの女騎士」は、強さの象徴である騎士が無防備になるという逆転劇だ。「ネクタイだけ締めて」は、社会的な装いの一部だけを残した、背徳と日常の交差点である。
つまり、この号で各作家が追求しているのは、「強い女性の無防備さ」や「形式の中にある野生」といったコントラストではないか。ビッチというキャラクター属性を通して、様々な心理的・状況的ギャップを描き出している。自分は「牡丹もちとほか」という、何とも言えないネーミングの作品に興味をそそられた。どんな「放銃」が待っているのか、想像するだけで楽しくなる。
正直、アンソロジー誌は当たり外れがあると覚悟していた。だが、この号の作家ラインナップとあらすじの熱量を見る限り、外れの一篇があっても、他で十分に取り返せる濃さが感じられる。353ページというのは、そう覚悟させてくれる数字だ。
結論:2017年の熱量を体感したいなら、この一冊
では、COMIC快楽天ビースト 2017年7月号は買いなのか?答えは条件付きだ。一つの長編ストーリーを追いかけたい人、特定の作家の作品だけを集中して読みたい人には、単行本を選んだ方が満足度は高い。しかし、「ビッチ」という属性を多角的に楽しみたい、勢いのある読み切りエロ漫画の饗宴に身を委ねたい、という読者には強く推せる。当時の人気作家たちが、制約の少ない雑誌掲載という場で、どのようなエロスを炸裂させたか。その生の熱量を体感できる。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価件数は少ないものの高評価を得ている。古い雑誌ではあるが、掘り出し物を見つけるようなワクワク感がある一冊だ。電車では絶対に読むな。これは忠告だ。
