COMIC快楽天ビースト 2015年10月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
2015年秋、快楽天ビーストが放つ濃密な301ページ
2015年10月に発売された月刊誌、COMIC快楽天ビースト。総ページ数301Pというボリュームは、単行本一冊分を超える読み応えを約束する。あらすじからは、みくに瑞貴、雛咲葉、オクモト悠太、ねこまたなおみなど、錚々たる作家陣による多彩な読み切りが掲載されていることが伝わってくる。色恋沙汰から羞恥プレイ、果ては「聖水」に至るまで、その守備範囲は広い。これは一つの世界観に縛られない、アンソロジー誌ならではの魅力が詰まった一冊だ。まずはその豊かなバラエティに触れてみよう。
みくに瑞貴の「名ケツカバー」と色黒フィアンセ
表紙を飾るみくに瑞貴の作品は、あらすじから「急襲」と「名ケツカバー」がキーワードだ。強引なまでの接近と、それを象徴するような臀部の描写に期待が高まる。もう一つの柱は「色黒フィアンセ」を題材にした読み切り。健康的な肌色のヒロインが、どのような恋愛模様を見せるのか。この二本立てで、同作家の作画の幅の広さを感じさせてくれる。みくに瑞貴の描く「肉」は、弾力と柔らかさのバランスが独特だ。正直、画力だけで買う価値がある作家の一人だ。
雛咲葉のモロ出しラブコール20P
雛咲葉による「好きな人ができた!」の最新刊PRと、20ページにも及ぶ「モロ出しラブコール」が収録されている。あらすじの「思いの丈をチチ開ける」という表現からは、感情のほとばしりと、それに伴う大胆な身体の開示が連想される。これは単なる官能描写ではなく、切実な想いが原動力となった行為だ。読者はヒロインの内面の機微と、その結果としての官能シーンの両方を追体験することになる。こういうのでいいんだよ、と思わせてくれる純度の高いエロスが期待できる。
オクモト悠太の「口止め交撃」と公共空間の危険な戯れ
オクモト悠太作品では「ノロケ反る美人上司の口止め交撃」が描かれる。立場や秘密を利用した、緊張感のある駆け引きが主題と思われる。さらに、いちこによる「コインランドリーで乱取り」というシチュエーションも興味深い。公共の場でありながらプライベートな空間が生まれる洗濯機コーナー。その隙間を突いた、スリリングで背徳感あふれる展開が予想される。日常のほんの少しの隙が、とんでもない事態へと発展する。そんなドキドキ感が、この号の随所に散りばめられている。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(単話の集合体)です。301Pで単行本以上のボリュームがあり、複数作家の作品を一度に楽しめる点が最大の利点。特定の作家の単行本を追うよりも、まずは雑誌でその作家の腕を試す「見本市」としての価値が高いと言えます。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほぼ全てが読み切り作品です。各話は完結しており、シリーズものはほとんどありません。したがって、どの号から購入しても問題なく楽しむことができます。作家ごとの特徴や画風の違いを比較する楽しみ方もおすすめです。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじに「聖水しか排出しない」との記載があります。この表現から、排尿(ウリネーション)に焦点を当てた描写が含まれる可能性が高いと推測されます。NTRや暴力に関する明示はありませんが、アンソロジー誌の性質上、様々な嗜好の作品が混在する点は留意が必要です。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作家によって大きく異なります。雛咲葉の作品は感情描写を重視したストーリー性の高い傾向が、一方でみくに瑞貴の作品はビジュアルとシチュエーションそのものを楽しむ実用性重視の傾向が伺えます。一冊で両方の楽しみ方ができるのが雑誌の強みです。
多様性こそがこの雑誌の真骨頂
COMIC快楽天ビースト 2015年10月号は、まさに「現代保健体育の粋を集めた」と言える一冊だ。純愛から少し変わったプレイまで、エロスの様々な断面を301ページに凝縮している。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価した読者からの絶賛がある。全ての作品が自分の好みに合うとは限らない。しかし、その中から新たな作家や好きなシチュエーションを見つける探検の楽しさがある。読み終わって、しばらく放心した。一つの雑誌でこれだけ多様な世界を旅できる充実感は、アンソロジー誌ならではのものだ。買ってよかったと思える、コスパの高い一冊である。
