アクションピザッツ 2016年9月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
多彩な美少女が集う、アンソロジーの饗宴
2016年夏、アクションピザッツは232ページの厚みで読者を迎え撃つ。これは単なる一作品ではない。複数の作家が描く、多様な美少女たちの物語が一冊に凝縮されたアンソロジー誌だ。義母、ナース、幼なじみ、戦うヒロイン。ツンデレから甘々まで、様々な「色香」が詰め込まれている。正直に言う。ページを開けば、必ずや好みの一編と出会える。多様性こそが、この雑誌の最大の武器だ。
義母との、甘く熟した関係性
大嶋亮による「義母色果実」は、待望の新連載として巻頭を飾る。タイトルから推測するに、血の繋がらない母親との、密やかで熱い関係が描かれると思われる。「ヒミツがある」「熱く熟れた色香」というあらすじの言葉が全てを物語る。ここで重要なのは、単なる背徳ではなく「熟れ」の表現だ。大人の女性の、時間をかけて醸成された艶やかさ。衣装の下からにじみ出る、抑制された情熱の描写に期待が高まる。家庭という日常の枠組みの中で、どういう視覚的演出がなされるのか。その造形が楽しみだ。
ピンクの天使と、不器用なナース
ドリルムラタの「秘め事×ナース」は、可愛さと不完全さのギャップが魅力だ。「可愛いピカイチ★仕事はイマイチ」という設定が秀逸である。白衣という清潔感ある衣装と、その中に宿る「上手」かもしれない別の一面。点滴が下手な彼女が、別の場面ではどのような「手技」を見せるのか。ナースキャップの角度、白衣の皺、聴診器が触れる肌の質感。こういった細部の描写が、キャラクターの魅力を何倍にも膨らませる。自分はこの「ギャップ萌え」の構図に、すでに心を掴まれていた。
憧れのお姉さんと、意外な属性の秘密
松波留美「隣のお姉さんとヒミツのインドアライフ」は、純愛と特異な趣味の融合が興味深い。小さい頃からの憧れが実り、初Hを迎えるという王道展開。しかし、彼女には「腐」という属性が待ち構えている。この意外性が作品に深みを与える。外見は完璧な理想のお姉さん。その内面に秘めた、ある種のオタク性。二つの顔を持つヒロインの、表情の変化や仕草の違いを描き分ける作者の力量が試されるシーンだろう。衣装と内面のコントラストが、どのように視覚化されるのか。そこにこそ、この作品の真骨頂がある。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(単話)です。232ページで複数作家の作品が読めるため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。気になる作家の連載をいち早くチェックできるのが雑誌購入の最大の利点です。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
問題ありません。アンソロジー誌のため、各作品は基本的に独立しています。「義母色果実」や「隣のお姉さん…」は新連載なので、今号から読み始めるのがむしろ理想的です。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじとタグから判断する限り、過度な地雷要素はなさそうです。内容は「美少女」を中心とした様々なラブコメ・ハーレムシチュエーションが主流と思われ、比較的安心して読めるラインナップです。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作家によって比重は異なりますが、全体的には「シチュエーションの魅力」と「美少女の造形」を両輪とした作品群です。短編が多いため、緻密なストーリーよりは、設定とビジュアルで勝負する傾向があると考えられます。
好みの美少女を探す、宝探しのような一冊
総合的にBランクと評価する。その理由は、その多様性にある。232ページというボリュームは、確かにコスパが良い。しかし、アンソロジーであるが故に、全ての作品が万人の好みに合うわけではない。一方で、これは逆に言えば、自分好みの作家やキャラクターを見つける「宝探し」として楽しめるということだ。ザキザラキやタカスギコウなど、個性豊かな作家陣が描く「美少女」の数々。この厚い冊子の中に、きっとあなたを惹きつける一枚の絵、一コマの表情が隠れている。
