アクションピザッツ 2016年2月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言う
「アクションピザッツ」という雑誌名を聞いて、まず何を思い浮かべるか。アクションとピザッツ。その組み合わせから、どこか軽快でポップな、あるいはコミカルな雰囲気を想像した。タグは「OL」と「熟女」。あらすじを一瞥すると、水鉄砲、結婚式、深夜のオフィス、不倫、コスプレと、まさにてんこ盛りだ。これは、いわゆる「寄せ集めアンソロジー」の典型か。個々の作品のクオリティにばらつきがあり、当たり外れが大きいのではないか。そんな一抹の不安を抱えながらページを開く。正直、全編を通して一貫したテーマや深みを求めてはいけない。これは、覚悟して読んでほしい。
読み進める中で
予想はある程度的中した。チャーリーにしなか先生の「Cheers!」から始まる巻頭カラーは、いきなりの結婚式と初夜という突拍子もない展開だ。しかし、その奔放なエネルギーに引き込まれる。続く肉そうきゅー。先生の「自撮り上司の終業常時」では、深夜のオフィスという密室で繰り広げられる、羞恥と快楽が入り混じった自撮りプレイ。タグにある「OL」の魅力が、ここで存分に発揮されていると思われる。
読み進めるにつれ、この雑誌の真骨頂が見えてくる。にしまきとおる先生の甘い恋人同士のやり取り、英丸先生の背徳感漂う「みだら姉妹遊び」、大嶋亮先生の「熟コス」で描かれる熟女の艶やかさ、そして小竹丸先生の白衣の天使との秘密の関係。各作家が持ち味を活かした短編が、次々と目に飛び込んでくる。224ページというボリュームは、まさに「読み応え」そのものだ。一つの話に深入りせず、さまざまな味を楽しむビュッフェ形式。思わず「この雑誌、コスパがいいな」と唸ってしまった。
多様性こそが武器
一話完結の短編が連なる構成は、読者の気分や好みに合わせて拾い読みできる利点がある。純愛から少し背徳的な関係まで、シチュエーションのレパートリーが豊富だ。特に「熟女」タグに関しては、大嶋亮先生の作品がその魅力を端的に表現している。経験を重ねた女性の、図太さとどこか儚げな表情のコントラストが、作品に深みを加えていると感じた。
そして、ここに至る
雑誌全体を通して、最も印象に残ったのは「湿り気」だ。冒頭の水鉄砲でびしょ濡れになるシーン、深夜のオフィスで不敵に濡れる様子、夜気にさらされる柔肌。どの作品も、水分や汗、あるいは愛液によって「濡れる」ことが、エロティシズムの重要な要素として機能している。これは単なる描写ではなく、キャラクターの内面の高揚や、状況の緊迫感を視覚化する効果的な手法だ。
特に、肉そうきゅー。先生の「自撮り上司の終業常時」における、OLが自らカメラの前に身を晒す行為は、現代的な羞恥プレイと言える。見られているという意識と、自分で記録するという能動性が交差する。この複雑な心理描写が、短編ながらも強いインパクトを残す。画力の面では、作家によってタッチは異なるものの、身体の肉感や、服の透け感、表情の艶やかさといった「エロ漫画の基本」は各々がきちんと押さえている。正直、この雑誌一本で様々な画風を楽しめるのは大きなメリットだ。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(単話)です。224ページで複数作家の作品が収録されているため、単行本1冊分以上のボリュームと多様性を一度に楽しめます。特定の作家のファンではなく、様々な作風やシチュエーションを味わいたい人には、雑誌形式の本作がお得と言えるでしょう。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
問題ありません。収録されているのは全て一話完結の短編です。各話が独立しているため、シリーズの知識は一切不要です。気軽にどこからでも読み始めることができます。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじから判断する限り、過度な暴力やスカトロなどの過激な描写はなさそうです。ただし、英丸先生の「みだら姉妹遊び」では不倫や義妹との関係が、大嶋亮先生の「熟コス」では既存の関係性への介入が描かれており、いわゆる「背徳感」を好まない読者は注意が必要かもしれません。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
短編のため、深いドラマや複雑なストーリー展開は期待できません。各作品はシチュエーション(OL、熟女、姉妹など)とエロ描写を効率的に組み合わせた「実用性重視」の構成です。多様なシチュと画風による視覚的・性的な楽しみが主眼です。
多様性という名のエンターテインメント
「アクションピザッツ 2016年2月号」は、一本の深い川ではなく、様々な流れが集まる三角洲のような作品だ。一つのテーマにこだわらず、OL、熟女、恋人、姉妹など多様な関係性を、それぞれの作家が短編という形式で切り取っている。これがBランクと評価する理由だ。特定の性癖に特化した尖った魅力ではなく、広く浅く、しかし確かなクオリティで楽しませてくれる安定感。画力も作家により差はあるが、どの作品も「エロ漫画としての基本」はしっかり押さえている。エロさのバリエーションを求め、長時間の読了に耐えるボリュームを期待するなら、間違いなく満足できる一冊だ。買ってよかったと思える、コスパの良い雑誌体験だった。
