アクションピザッツ2023年4月号のレビュー・感想・徹底解説

レビュー・徹底解説

👤誰向け?多様な性癖を探求したい人
⚠️注意点特になし
おすすめBランク

正直に言う。アンソロジーは宝探しだ

アンソロジー誌を手に取る時、いつも複雑な気持ちになる。期待は「未知の作家との出会い」と「コスパの良さ」だ。一方で、偏見も確かにある。玉石混交ではないか。自分の好みに合わない作品が多すぎるのではないか。特に「マンガ誌」というタグは、いわば総合フードコートだ。全メニューが好みとは限らない。正直に言う。372ページというボリュームに惹かれつつも、果たして最後まで飽きずに楽しめるのか、一抹の不安があった。

読み進める中で、好みの波を感じる

ページをめくる手は、確かに時折止まった。しかし、それは退屈からではない。むしろ逆だ。巻頭を飾るポン貴花田先生の『コンビニバイトのむちむち女子がどう見ても俺に発情している。』は、タイトル通りの直球ど真ん中。キャッチーなシチュエーションと、主張の強い肉感が読者を一気に引き込む。これは期待を裏切らない安定の一作だった。

しかし、アンソロジーの面白さは、この「安定」の先にある。彩画堂、タカスギコウ、EBAと、ページを追うごとに作風がガラリと変わる。画風も、濃厚な描写からコミカルなタッチまで幅広い。ある作品ではシリアスな世界観に浸り、次の作品ではゆるふわな日常にほっこりする。この「感情のジェットコースター」こそが、単行本では味わえないアンソロジー誌の醍醐味だと気付かされる。一つの性癖に深く掘り下げるのではなく、様々な「萌え」の断片をサンプリングする旅のような体験だ。

個性が光る作家たちの競演

特に印象に残ったのは、センターカラーを担当するかわもりみさき先生の『柔肌母娘とHな時間』だ。タイトルから連想される濃密な雰囲気とはまた違った、どこか温かみのある筆致が特徴的と思われる。また、大嶋亮先生の『AVデビューした人妻エルフは本気絶頂の夢を見るか?』など、ファンタジー要素を取り入れた作品も散見され、ジャンルの幅広さを実感させられた。正直、この画力とアイデアの多様性には参った。一冊でこれだけのバリエーションを楽しめるのは、やはりアンソロジーならではの強みだ。

そして、ここに至る。アンソロジーの価値とは

この雑誌を読み終えて強く感じたのは、「発見」の喜びだ。全16作品という膨大なラインナップの中には、当然、自分のツボに直撃する作品もあれば、少し距離を置いてしまう作品もある。しかし、重要なのはその「当たり外れ」そのものではない。むしろ、普段なら手に取らなかったような作風やシチュエーションに触れられる機会そのものに価値がある。

例えば、沙神よしつね先生の『粋でいなせな西垣さん』や某人間先生の『義妹は毛が嫌!』といった作品は、そのキャラクター性や独特のテイストが強く印象に残る。これが単体の単行本だったら、もしかしたら見逃していたかもしれない。372ページという広大なフィールドで行われる作家たちの競演は、読者に新たな好みの可能性をそっと提示してくれる。この「未知との遭遇」こそが、アンソロジーを読み続ける最大の理由なのだ。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

「特定の作家・作品が好き」なら単行本が無難だ。しかし、「新しい作家を見つけたい」「様々なジャンルを一度に楽しみたい」なら、このアンソロジー誌は圧倒的にコスパが良い。372ページで16作品というボリュームは、単行本数冊分に相当する。宝探し感覚を楽しめる人には最適だ。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

ほぼ全ての作品が独立した読み切り形式であるため、問題なく楽しめる。アンソロジー誌の特徴として、各作家がその号のために描き下ろした作品が掲載されている。シリーズものの続編などはないので、どこから読んでもOKだ。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

作品リストから推測する限り、過度な猟奇描写やスカトロといったハードコアな要素は少ないと思われる。しかし、16もの作家が集まっているため、個々の作品によっては「人妻」や「催眠」といったタグに該当する内容が含まれる可能性はある。全体的には王道から少し捻った内容まで、幅広くバランスが取られたラインナップだ。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

作品によって大きく異なる。短いページ数でシチュエーションを効率よく描く実用性重視の作品もあれば、キャラクターの心情や世界観を丁寧に紡ぐストーリー重視の作品もある。一冊の中で両方の楽しみ方ができるのが、アンソロジーの良いところだ。画力の面でも多様性があり、見ているだけでも楽しい。

多様性という名の饗宴。さあ、宝探しへ

総合的に判断して、本レビュー評価はBランクとした。その理由は明確だ。一つは、外部評価(FANZA)でも示されているように、好みが分かれる性質を持つこと。もう一つは、確かに「当たり」の作品もあるが、全ての作品が万人に刺さるわけではないというアンソロジー誌の宿命だ。しかし、それを差し引いても、このボリュームと多様性には価値がある。普段は読まないジャンルに触れる「冒険心」を持てる人なら、きっと何かしらの発見と楽しみを見いだせる一冊だ。画力の高さとアイデアの豊富さは、多くの読者を満足させるだろう。

📊 総合評価
Bランク
エロさ★★★★☆
画力★★★★☆
ストーリー★★★☆☆