アクションピザッツ2023年1月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
こたつの中で美女がささやく、冬の欲望カタログ
寒い冬の夜、こたつの中から美女が「キミのお願い聞いてあげる…」とささやく。そんな甘美なシチュエーションから始まるこの雑誌は、まさに欲望のショーケースだ。368ページという膨大なボリュームの中に、様々な作者が描く「覗きたい」「触れたい」という願望が詰め込まれている。一冊で多様な世界を旅できる、これがアンソロジー誌の最大の魅力だろう。読み終わって、しばらく放心した。あまりに多くの「もしも」が詰まっていたからだ。
王道から少し捻りまで、バラエティ豊かな“おかず”が揃う
「アクションピザッツ」という誌名が示す通り、ここに集う作品群はアクション、つまり動きと興奮を重視した作風が主流と思われる。掲載作家の顔ぶれを見れば、その傾向は明らかだ。かわもりみさきの「柔肌母娘とHな時間」に代表される親密な関係性、松波留美の「ワンルームハーレム」のようなファンタジー要素、彩画堂の「めしべの咲き誇る島で」といった独特の世界観まで、一冊の中でジャンルを横断できる。地雷を避けつつ、安定したクオリティの作品を求めたい読者にとって、これは極めて安心感のあるラインナップだ。自分は「親友の母は僕のいいなり」というタイトルに、思わずページをめくる手が速くなってしまった。
今月の見どころをピックアップ
膨大な作品群の中から、特に目を引くポイントをいくつか紹介する。あらすじに「女の子の色んなところを覗かせてチョーダイ」とあるように、バラエティに富んだ“覗き”の楽しみ方が各作品に散りばめられているはずだ。
巻頭を飾る「柔肌母娘」の濃密な世界
かわもりみさきによる巻頭カラー「柔肌母娘とHな時間」は、文字通り肌の質感と親密な空気感が売りの作品と思われる。作者の作風から推測するに、登場人物同士の距離感の近さ、体温が伝わってきそうな描写に重点が置かれているだろう。母と娘という複雑かつ親密な関係性を、官能的なタッチで昇華させる手腕は、この雑誌の顔としてふさわしい華やかさを持っている。
新連載「HELP!サヤ先生」の可能性
尾崎晶による新連載センターカラー「HELP!サヤ先生」は、今後の展開に期待がかかる一作だ。教師と生徒、あるいは何かしらの依存関係を匂わせる「HELP!」というタイトルから、力関係を逆転させたり、甘やかしたりするシチュエーションが展開されることが予想される。新連載ということで、作者の持ち味を存分に発揮した意欲作である可能性が高い。この一冊で新たな“推し”作家を見つける楽しみもある。
異世界ファンタジーから学園ものまで
ラインナップを見渡すと、松波留美の「ワンルームハーレム 〜異世界帰りの勇者さま〜」や大嶋亮の「AVデビューした人妻エルフは本気絶頂の夢を見るか?」といった明確なファンタジー要素を含む作品から、ほんだありまの「Hにあらそえ・幼なじみ荘」や三上キャノンの「星ケ丘スターバレー」のような現実寄りの学園・日常系まで、テーマが実に幅広い。一つのジャンルに飽きてしまっても、すぐに別の世界観に移れる構成は、368ページを退屈させない工夫だ。
多数派の欲望に応える、確かな画力の饗宴
アンソロジー誌の画力は作家によってまちまちだが、今回のラインナップは全体的に高い水準が期待できる。かわもりみさきの柔らかな肌の質感、彩画堂の独特な人物描写、タカスギコウの「煉獄の園」から感じられる劇的な構図など、見応えのある作画が揃っている。特に、あらすじにある「色んなところを覗かせてチョーダイ」というコンセプトを実現するためには、細部までこだわった描写力が不可欠だ。各作家とも、その期待に応えるために“見せ場”となるコマには特に力を入れていると推測される。正直、このボリュームでこのクオリティはコスパが良いと思った。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
この雑誌は「単話」を集めたアンソロジーです。368ページで多数作家の作品が楽しめるため、特定の作家にこだわらず幅広く読みたい人には非常にコスパが良い選択肢です。気になる作家の単行本を探すきっかけにもなります。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほとんどの作品は短編完結型か、新連載の第1話です。シリーズものも、その号だけで楽しめるように作られているのが通例ですので、知識がなくても全く問題ありません。むしろ新規参入に最適な号と言えます。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
掲載リストと作家の傾向から、過度なグロテスク描写や猟奇的な要素は少ないと思われます。ただし「煉獄の園」や「羞恥女優」などのタイトルから、それぞれの作品内でややハードなテーマやプレイが展開される可能性はあります。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
短編が多いため、綿密なストーリーよりはシチュエーションと実用性を重視した作品が中心と思われます。しかし「物語の続きを」のようなタイトルから、中には読み応えのある展開を用意している作品も含まれているでしょう。
冬の夜長を彩る、安心と発見の一冊
総合的にAランクと評価する。その理由は、圧倒的なボリューム(368P)に対して、著名作家から新鋭までバランスの取れたラインナップを提供している点だ。全ての作品が自分の好みに合うとは限らないが、その中から新たな作家や好みのジャンルを見つける「発掘の楽しみ」が存分に味わえる。外部評価(FANZA)では5.00点(1件)と、評価しているユーザーからの支持は絶大だ。多数派の性癖を網羅し、確かな画力で描かれたこの雑誌は、何を読もうか迷う時や、とにかくたくさん読みたい時に頼りになる存在だ。
