COMIC真激 2015年12月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言うと、アンソロジーは不安だった
アンソロジー雑誌を手に取る時、いつも一抹の不安がよぎる。作家ごとの作風の差。好みの偏り。当たり外れの大きさ。特に「巨乳」「人妻・主婦」「姉・妹」というタグは、ある種の王道であり、同時に陳腐化の危険も孕んでいる。単行本なら作家の個性に集中できるが、雑誌は博打だ。2015年という発売年も気になった。古さは気にならないが、当時の作風が今の自分に刺さるか。正直、期待半分、警戒半分でページを開いた。
読み進める中で見えた、作家たちの個性
最初の数ページで、雑誌という形式の利点に気付かされた。板場広し、gonza、堀博昭、NABURU…。執筆陣の名前を見るだけでも、ある種の興奮が走る。これは作家の見本市だ。それぞれが「巨乳」「人妻」という共通のテーマに、独自の解釈で挑んでいる。画風の違いが明確で、ページをめくるごとに世界が変わる。ある話では柔らかく豊満な肉感が、次の話ではくっきりとした輪郭の肉体が描かれる。この変化が、単調さを防いでいる。家庭教師や姉妹といったシチュエーションも、作家によって甘さや背徳感の加減が異なる。一つの好みに縛られず、多様な「エロ」を味わえる旅路だった。自分は特に、人妻を題材にしたある作品の、切なさと官能性のバランスに唸った。こういうのでいいんだよ、と思わせてくれる描写だった。
そして、アンソロジーの真価に気付く
複数の作家による競演は、時に最高の「比較」を生む。この号を読み終えた時、ある明確な気付きがあった。それは「巨乳の描き方にもこれだけの流派がある」ということだ。光の当て方、弾力の表現、揺れの物理演算。作家ごとに全てが違う。単行本では得られない、横断的な鑑賞体験だ。特定の作家のファンであれば、その作家の短編を楽しめる。そうでなくても、新しい作家との出会いの場となる。家庭教師と生徒、主婦と隣人、姉と弟。シチュエーションは限られているようで、その中でいかに独自のエロスを構築するか。作家たちの腕の見せ所が散りばめられていた。特に「巨乳」という要素を、単なる記号ではなく、感情や物語を伝える媒体としてどう昇華させるか。その挑戦の跡が随所に見えて、これは保存版だと思った。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
目的による。特定の作家が好きなら単行本。複数作家の作品を一度に楽しみ、新たな好みを発見したいなら、このような雑誌(単話の集合体)がお得。コストパフォーマンスと多様性を求めるなら雑誌型が優れる。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
問題ない。各作品は雑誌掲載用の読み切りであり、ほぼ全てが完結した1話ものだ。シリーズ物の続編が含まれる可能性はあるが、単体でも十分に楽しめる構成になっている。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグから判断する限り、過度な地雷要素はなさそうだ。ただし、アンソロジーのため、含まれる作品全ての内容を確認できない。人妻タグから軽い背徳感はあるが、おそらく一般的な範囲内の描写と思われる。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
実用性重視の作品が中心と思われる。家庭教師や人妻といった分かりやすいシチュエーションを活かし、効率的にエロスへと導く構成が多い。短編であるため、ストーリー性はシンプルで、描写そのものに重点が置かれている。
巨乳愛好家のための、多様性の教科書
総合的にBランクと評価する。その理由は、一点の傑作というより、良質な「見本市」としての価値にある。全ての作品が最高峰とは言えないが、その分、発見がある。あなたの好みの巨乳の描き方、好きなシチュエーションの演出が、きっとここにある。古い号だが、エロ漫画の基本である「肉体描写」と「シチュエーション」の組み合わせを、多角的に学べる一冊だ。これを読んで巨乳の描き方に興味が湧かないなら、あなたの好みはもっと別のところにあるのかもしれない。
