コミックアンリアル Vol.65のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
2017年、アンリアルは「非日常」のエロスに全速前進した
2017年3月に発売されたコミックアンリアルVol.65。表紙はモグダン先生による雪の精。その瞬間から、読者は現実を離れる。454ページという膨大な紙面は、魔法少女、エルフ、サキュバス、ふたなり、戦闘員など、ありとあらゆる非現実のヒロインたちで埋め尽くされている。あらすじが宣言する通り、「良質な不思議H」の詰め合わせだ。日常から最も遠い場所で、最も本能的な欲望が解放される。この号は、そうした「転移」の快楽を追求するアンソロジーである。
学園長ゼウスと魔女ハデスの汁だくおねショタ
エレクトさわる先生の『雷光神姫アイギスマギア』第三話。神話の神々が学園という舞台で繰り広げる、力の差が如実な関係。学園長ゼウスと魔女ハデスによる「おねショタH」は、あらすじが「汁だく」と表現する通り、量と濃密さが特徴と思われる。権力者による従属的な関係性が、少年へのたっぷりとした射精という形で視覚化される。神話的スケールのキャラクターが、ごく個人的な欲望に没頭するコントラスト。ここに、非日常エロの一つの典型がある。
男体化した少女と幼馴染の濃密中出しセックス
もくふう先生の『たまつきトランス』。これは「逆TS&百合の新機軸H」と紹介されている。男体化した少女と、その幼馴染の少女。性別が入れ替わっても変わらない、あるいは増幅される想い。それを「濃密中出しセックスで抑えきれない想いをぶつけ合う」と表現するあらすじからは、純愛と肉体の変異が交差する、複雑で熱い関係性が伺える。ふたなりタグの一つの解釈であり、百合の新たな形と言えるだろう。キャラクター同士の感情の行き違いと、肉体の直接的な結びつき。その緊張感が本作の核だ。
悪堕ちするヒロインたちの、堕ちる瞬間のエクリチュール
本誌の多くを占めるのは、「堕ちる」物語だ。戦闘ヒロインが公開陵辱を受け、鬼族の少女が同族に輪姦され、妖精が肉便器へと変えられ、獣耳姫が弟を逆レイプで悪に引きずり込む。タグから推測される「痴女」「悪堕ち」の要素がここに集約されている。重要なのは、単なる被害ではなく「変容」のプロセスにある。誇り高かった者が欲望に屈服し、時には能動的に悪へ染まっていく。その転換点の描写、表情の変化、肉体の従属ぶりに、作者たちは心血を注いでいる。正直、こういう「堕落の美学」こそが、アンリアルの真骨頂だと思った。
Vol.65を手に取る前に
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作は雑誌(マンガ誌)であり、単話作品のアンソロジーです。特定の作家の連載を追うなら本誌を、気に入った作品だけを読みたいなら後日発売されるかもしれない単行本を待つのが良いでしょう。ただし、本誌ならではのカラーページやピンナップも楽しめます。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほとんどの作品は短編または1話完結型なので、問題なく楽しめます。『雷光神姫アイギスマギア』などシリーズ物も3話目ですが、あらすじから推測するに、その回のシチュエーションだけで充足する内容と思われます。アンソロジー誌の強みです。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
あらすじから、「陵辱」「輪姦」「肉便器」といった過激な表現が多数見られます。つまり、強制的なシチュエーションや精神的屈辱を伴う描写が含まれる可能性が高いです。一方で「スカトロ」のような身体的汚物プレイに直接言及したタグはないため、おそらくその類の描写はないでしょう。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
ファンタジー設定を活かした「変身」「堕落」「支配」といった強いシチュエーションが主軸です。つまり、実用性はその特異なシチュエーションと一体となっています。現実にはあり得ないからこそエスカレートできる描写、それが本誌の実用性の核と言えるでしょう。画力も作家によってばらつきがありますが、総じてハイレベルです。
多様な“異世界”で欲望のヴァリエーションを探せ
コミックアンリアルVol.65は、一言で言えば「特化型アンソロジー」の完成形だ。ファンタジー・SFという枠組みの中で、痴女、悪堕ち、ふたなり、陵辱など、多様な性癖を存分に発酵させている。454ページというボリュームは、同じ方向性の作品を集めることで、読者の欲望を深く、広く掘り下げることを可能にした。一つ一つの作品は短くても、この号全体として一つの「非現実Hの博覧会」として機能している。ここだけの話、自分は「エルフさんのM男教育」というタイトルに一番やられた。タグとタイトルの組み合わせが、あまりに的確で笑ってしまった。欲求をストレートに形にする、その潔さが本誌の最大の魅力である。





