COMICネクロシスvol.13のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
| 作品名 | COMICネクロシスvol.13 |
|---|---|
| 形式 | アンソロジー単行本 |
| ページ数 | 131P |
| 発売日 | 2022年10月 |
| 主なタグ | ファンタジー, ホラー, 残虐表現, 拘束, 鬼畜, ダーク系, OL, 美少女, 巨乳, 日焼け |
本レビュー評価:作画 ★★★★☆ / エロさ ★★★★☆ / ストーリー ★★★☆☆
リョナ界の帝王と精鋭が贈る、狂気と肉のアンソロジー
結論から言わせてくれ。これは「普通」のエロ漫画ではない。表紙からして、水槽に閉じ込められた少女の絶望が描かれる。リョナ、すなわち「陵辱」と「惨」に特化したアンソロジーシリーズの第13弾だ。創刊2周年を迎え、そのスタンスは揺るがない。掲載されるのは、岩久月、松本痙、タク、YOSHITORA、戸村水仙、氏賀Y太という豪華な顔ぶれ。各作家が「固執・妄想・偏執」をテーマに、異なる地獄を描き出す。科学者が生み出した異形の生物、菜食主義者への過激な「矯正」、巨大な貝に襲われるアイドル。ファンタジーとホラーが混ざり合い、美少女たちが理不尽な暴力に晒される。131ページというボリュームは、まさにリョナ好きにとっての饗宴と言える。このジャンルの深みを知る者だけが、その真価を理解できる作品群だ。
六つの地獄絵図、その描写の核心に迫る
全6作品。それぞれが独自の「苦痛」と「悦楽」を追求している。ここでは、その描写の核心を三点から炙り出す。
1. 生物学的恐怖と母性の歪み「パラサイトキメラ」
岩久月による作品だ。科学者ネムが生み出した新種生物「イト」との同居生活が描かれる。あらすじから、この生物は日に日に巨大化し、食欲も旺盛になっていく。ここでの恐怖は、未知なる生命体への畏怖と、飼い主であるネムの「我が子のような愛着」という心理的歪みが交差するところにある。水槽や浴槽という「密閉空間」と、柔らかくも不気味な生物の質感描写が、読者に生理的な嫌悪感と好奇心を同時に掻き立てるだろう。飼育キャパを超える存在との関係性の行く末は、ホラーとしての完成度が高いと思われる。
2. 理想主義への残忍な「矯正」劇「草食肉女子」
松本痙の手による、現代的なシチュエーションだ。菜食主義を啓蒙する合宿に参加した意識高い系女子が、上級コースと称して裸で拘束され、巨漢たちに襲われる。タグにある「拘束」「鬼畜」がここに凝縮されている。菜食(草食)という「理念」を、肉食(肉欲)で文字通り犯し、矯正するという倒錯した構図。ドギースタイルでの拘束は羞恥心を最大限に引き出し、「タンパク質も摂るんだよ」という台詞は、理念の暴力性的な破壊を感じさせる。この作品のエロさは、精神的優位性の崩壊と肉体の征服が同時進行する点にある。正直、こういう理不尽なシチュエーションには参ってしまう。
3. ファンタジー世界の絶対的暴力「或るエルフ少女の最期」
YOSHITORAが描くのは、純粋なファンタジー・ホラーだ。三つ首の化け物ディッカーが、非力なエルフ少女を「繁殖用の雌畜」として捕らえる。タグの「残虐表現」「鬼畜」がここに集約されている。首を絞め上げ、尻尾と男根で二穴同時侵犯し、さらには長い舌で耳穴から「脳姦」に及ぶ。これはもはやセックスではなく、異種族による生物的な「改造」と「破壊」の過程だ。エルフという可憐な存在が、絶対的な暴力の前に玩具のように弄ばれる様は、ダークファンタジーならではの残酷な美しさがある。褐色の肌(日焼けタグに関連か)と筋肉隆々の怪物のコントラストも、視覚的に強烈なインパクトを与えるだろう。この生々しい描写力には、思わず「ここまでやるか」と唸った。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本作はアンソロジー単行本そのものです。掲載作品はすべてこの単行本のための描き下ろしであり、単話での販売はありません。131ページで6作品というコスパは、リョナジャンルにおいては十分と言えるでしょう。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
問題なく楽しめます。『COMICネクロシス』はコンセプト(リョナ)で統一されたアンソロジーシリーズであり、各巻の作品間や巻を跨いだストーリーの連続性はありません。今号から読んでも全く遅くはないです。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
「残虐表現」「鬼畜」タグが示す通り、物理的・精神的暴力描写は本作の核心です。流血、拘束、恐怖に震える描写が多数含まれます。スカトロなどの排泄系描写はあらすじからは窺えませんが、生物変異や異種姦といった身体的変質を扱う作品はあるため、ホラー的グロテスクには注意が必要です。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
「シチュエーションと描写」重視です。短編であるが故にストーリーはシンプルですが、各作家は与えられた残酷なシチュエーションで、如何に独自のエロスとホラーを昇華させるかに注力しています。実用性は、ダークで歪んだシチュエーションと、そこで喘ぐ女体の描写を好むかどうかに大きく依存します。
買うべき人、絶対に避けるべき人
☑ YES!買い
- リョナ・陵辱ものの核心である「絶望感」と「支配感」を求めている。
- ファンタジーやホラー要素とエロスが融合した世界観が好みだ。
- 岩久月、氏賀Y太など、ダーク系で名を知られた作家のファンである。
- 美少女が理不尽で残酷な目に遭うシチュエーションに興奮する。
☐ NO。様子見
- 純愛やほのぼのとした関係性を期待している。
- 流血や恐怖表情などの残虐描写に耐性が全くない。
- エロ漫画はあくまで「抜き」のためで、暗い気分になりたくない。
狂気のバラエティが詰まった、リョナの祭典
本作をAランクと評価する。Sランクにしない理由は、その過激な内容ゆえに嗜好が極端に分かれるためだ。しかし、対象読者にとっては間違いなく質の高い一冊である。科学ホラー、社会風刺、ファンタジー、近親もの、日常の歪み…と、リョナという一つのテーマでここまでバラエティに富んだ作品を集められるのは、このシリーズならではの強みだ。各作家の「偏執」が存分に発揮されており、画力も描写力も高い水準にある。特に、非人間的なものによる侵犯や、身体の変質・破壊へのこだわりは、ある種の性癖を深く抉る。ダークなものにこそ美しさを見出せる者へ。この131ページは、あなたの欲望の闇を確かに照らし出すだろう。





