COMIC アオハ 2020春のレビュー・感想・徹底解説

レビュー・徹底解説

👤誰向け?刺激的で多様なシチュを求める人
⚠️注意点飲尿、ぶっかけ等の描写あり
おすすめBランク

アオハの春は、性癖の万華鏡だ

「君とあくびした。涙でた。」という謎めいたあらすじ。しかし、タグを見ればその正体は明らかになる。めがね、顔面騎乗、レオタード、飲尿、巨乳。これらが一冊に詰め込まれた390ページのアンソロジーだ。これは特定の一つの物語ではなく、複数の作家が描く多様な「春」のエロスを集めたもの。電車では絶対に読むな。これは忠告だ。一つの性癖に縛られず、様々な刺激を求める読者にとって、これはまさに宝箱のような一冊と言える。

学園を舞台にした、濃厚で多様な性の饗宴

タグから推測されるこの作品の空気感は、「学園もの」という共通の舞台でありながら、その中に多様な欲望の断片が散りばめられていることだ。生徒会長、転校生、幼なじみ。おそらくはそんな日常的な関係性が、ある瞬間を境に濃厚なエロスの坩堝へと変容する。レオタードやめがねといった小道具が、日常と非日常の境界を曖昧にする。全15作品が収録されているため、そのテイストは作家ごとに大きく異なるだろう。しかし、全体を通して「青春の一コマが、いかにして官能の瞬間へと昇華されるか」というテーマが浮かび上がってくる。硬質な学園モノから、どこか幻想的な雰囲気を持つ作品まで、バラエティに富んだ「春」が体験できる。

収録作品から覗く、刺激的な瞬間

あらすじに記載された作品タイトルから、その一端を推測することができる。各作家が切り取った、特異で濃厚な瞬間の数々だ。

「目を瞑る自棄」と「うそつき」に潜む心理

ごさいじ「目を瞑る自棄」と越後屋タケル「うそつき」。これらのタイトルからは、自らの欲望や状況に抗えず、あるいは騙し騙されながら性に溺れていくキャラクターの心理が窺える。特に「自棄」という言葉は、理性の放棄と本能への没入を強く暗示しており、背徳感と快楽が交錯するシーンが期待できる。自分では制御できない何かに流されていく、その刹那の描写にこそ、作品の真骨頂があるかもしれない。

「はじめてのEK」と「Re:Play」が示す関係性の変化

大空若葉「はじめてのEK」とみかづち「Re:Play 後編」。EK(エクスタシー?)という言葉や「Re:Play」というタイトルは、何らかの「初めて」の体験や、過去の関係性の再構築、リプレイをテーマにしていると思われる。これは単なる肉体関係ではなく、そこに至るまでの心の動きや、関係性の質的変化に重点が置かれている可能性が高い。タグにある「顔面騎乗」や「巨乳」といった物理的描写が、どのような情感の文脈で描かれるのか。その組み合わせに注目だ。

「うさぎと僕と」の幻想性と「咎人の夢」の罪悪感

ひらやん「うさぎと僕と」とるりいろシュガー「咎人の夢」。これらのタイトルは、よりメタファー的で幻想的な雰囲気を漂わせる。「うさぎ」は純潔や跳躍の象徴か、あるいは別の何かか。「咎人」は文字通り、罪を背負う者だ。現実の学園生活から少し離れ、寓話的または内省的な色合いの強いエロティシズムが展開されるかもしれない。こうしたバリエーションこそが、アンソロジーを読む醍醐味の一つだ。正直、どの作家が自分のツボを直撃するか、ページをめくるのが楽しみで仕方なかった。

多作家ゆえの画力の博覧会

アンソロジー作品の最大の魅力は、これだけ多くの作家の画風を一度に味わえることだ。390ページというボリュームは、そのための十分なキャンバスである。巨乳の肉感の描き分け、めがね越しの曇った視線の表現、顔面騎乗やぶっかけといった特殊なシチュエーションにおける構図の工夫。作家によって「汁」の質感や光の反射の描き方も違うだろう。ある作家は写実的な肉体描写に長け、別の作家はデフォルメされた可愛らしい表情を得意とするかもしれない。この多様性の中に、自分好みの「肉」の描き方を見つけ出す作業自体が、一つの楽しみとなる。画力だけで言えば、必ずや気に入る作家が一人は見つかるはずだ。

購入前に知っておきたいこと

Q. 単行本と単話、どっちがお得?

本作は雑誌「COMIC アオハ」の2020年春号そのものです。単行本とは異なります。15作品が読める390ページというコスパは非常に高い。気になる作家の単行本を探す前に、その画風や作風を試す「見本帳」としての価値が大きいです。

Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?

アンソロジー雑誌なので、各作品は基本的に完結した読み切りです。シリーズ物の「後編」(例:みかづち「Re:Play 後編」)は前作の知識があった方が良いですが、それ以外はほぼ問題なく楽しめるでしょう。

Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?

タグに「飲尿」が明記されています。スカトロとは異なりますが、この描写を地雷と感じる方は注意が必要です。また「ぶっかけ」も同様です。NTRや過度な暴力に関するタグはないため、おそらくその類の描写はメインではないと思われます。

Q. ストーリー重視?実用性重視?

作家によりけりですが、アンソロジー全体としては「実用性」に重きが置かれている印象です。タグに見られるようなハードコアで直接的な描写を、様々なシチュエーション(学園、レオタード等)で楽しむことに主眼があるでしょう。ストーリー性が高い作品も混ざっている可能性はあります。

自分の性癖の地図を広げる、春の探索キット

外部評価(FANZA)では3.00点(1件)と、評価件数が少なく判断が難しい。しかし、アンソロジーの価値は総合評価ではなく、自分に刺さる「一作」を見つけられるかどうかだ。15もの作品が収録されていれば、少なくとも1つや2つは「当たり」がある。飲尿や顔面騎乗といったタグに抵抗がなく、むしろ多様な刺激を求めているなら、この390ページは充分な探検の価値がある。私は「うそつき」というタイトルに惹かれた作品で、思わず唸ってしまった。Bランクとしたのは、万人に勧められる完成度ではなく、ある種の「くじ引き的楽しみ」が主体となるためだ。しかし、そのくじ引きの当たり確率は、かなり高い。

📊 総合評価
Bランク
エロさ★★★★☆
画力★★★★☆
ストーリー★★★☆☆
This Series
COMIC アオハ 2019夏2
COMIC アオハ 2019秋3
COMIC アオハ 2019冬4
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