COMIC阿吽2015年1月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
2015年、阿吽の正月はメイドと巫女で彩られた
2015年1月号のCOMIC阿吽は、その年の幕開けを祝う「謹賀新年号」だ。あらすじからは、深崎暮人氏による豪華な着物姿のイラストが目を引く。しかし内容の核は、「メイド」と「巫女」という二大萌え属性に集約される。巻頭を飾るのは荒岸来歩氏による「絶対搾精メイド姉妹!」。その他にも全20話というボリュームで、多様な作家陣が集結したアンソロジー誌である。427ページという厚さは、当時の雑誌らしい読み応えを感じさせる。
COMIC阿吽2015年1月号を買う前に知りたい5つのこと
Q1. メイドと巫女、どっちがメイン?
あらすじから判断すると、メイドが主役と思われる。巻頭カラー44Pが「絶対搾精メイド姉妹!」であり、タイトルからもその主張は強い。一方、巫女は「月読荘にようこそ」という新シリーズとして登場。バランスとしてはメイド7:巫女3程度の印象だ。
Q2. 深崎暮人先生のイラストは表紙だけ?
あらすじには「深崎暮人先生が描く豪華着物に激カワ娘のコラボがメジルシ!!」とある。これが表紙イラストを指すのか、誌面内のピンナップなのかは不明だ。しかし、「メジルシ」という表現から、何らかの形で誌面を彩っていることは間違いない。視覚的美しさを求める読者には大きな魅力となる。
Q3. 427ページって、実際の読みごたえは?
全20話にピンナップ4種。単純計算で1話あたり約20ページとなる。中編や前編を含むため、密度の高い読み切りから続き物までバラエティに富む。アンソロジー誌特有の「当たり外れ」はあるが、量としては十分すぎる。コスパは極めて高いと言える。
Q4. ストーリー性はある?それとも実用メイン?
両方混在している。「絶対搾精メイド姉妹!」はタイトルから実用寄り。「おたねつけ」は時代絵巻とあるので、ある程度のシチュエーション構築を期待できる。「黒い檻」は三部作の中編。一概には言えないが、実用性と短い物語の両方を楽しめる構成だ。
Q5. 今(202X年)買う価値はある?
2015年発売のバックナンバーである。特定の作家や属性への愛がなければ、最新号を追う方が無難だ。しかし、「メイド」と「巫女」という普遍的な属性に特化した号である。この組み合わせを好むコアなファンや、当時の作家の画風を収集したい人には価値がある。
アンソロジー誌の醍醐味と、この号の「核」
この号の真の価値は、「メイド」という一つのテーマを多角的に照射する作家陣の布陣にある。巻頭の荒岸来歩、実力派の唐辛子ひでゆ、急上昇中のテツナ。あらすじに名前が挙がるこれらは、いずれも確かな画力と表現力を持つ作家だ。彼らが「メイド愛溢れる」という号のコンセプトにどう応えたか。その比較検討こそが、アンソロジー購読の最大の楽しみである。
特に、深崎暮人氏のイラストがどのような形で掲載されているかは、視覚派読者にとって最大の関心事だろう。着物姿の描写に彼の独特の質感表現と色彩がどう発揮されているか。正直、それだけでもう購入理由になり得る。誌面全体のビジュアルクオリティを底上げする、錨のような役割を果たしていると思われる。
一方で、巫女ものは「新シリーズ始めてみました」とある。はらざきたくま氏による「月読荘にようこそ」が、どのような世界観で読者を迎え入れるのか。清浄と秘め事の対比が、どのようにビジュアル化されているのか。ここにも、衣装(巫女装束)の描写への期待が膨らむ。この1冊で、エプロンと巫女装束という、二つの「制服」の造形美を堪能できる可能性が高い。
結論:普遍的な萌え属性で固めた、濃厚なアンソロジー
では、買いなのか。答えは条件付きだ。「メイド」か「巫女」、どちらか一方に強いフェチズムを持つ読者であれば、427ページの中に必ずや刺さる一篇が見つかる。特に深崎暮人氏のファンは、そのイラスト目当てでも価値がある。しかし、特定の作家や属性にこだわりがなく、最新の作画や流行を追いたい一般読者には、やや古いバックナンバーは勧めにくい。アンソロジー誌は、自身の好みというフィルターを通して初めて輝く宝石箱である。この号は、そのフィルターが「メイド」と「巫女」という、極めて普遍的でありながらコアな属性に設定された、特化型の一本と言える。自分は、深崎暮人の名前に加え、あの時代の作家たちが「メイド」という題材にどう向き合ったのか、その比較自体に興味をそそられた。
