COMIC真激2025年12月号のレビュー・感想・徹底解説
レビュー・徹底解説
正直に言うと、期待と不安が半々だった
COMIC真激という雑誌名から、ある種の「激しさ」を予想していた。ホラーやふたなりといったタグを見て、これはニッチな性癖の詰め合わせか、と少し身構えたのも事実だ。しかし、恋愛やOL、女子校生といった王道タグも同居している。一体どんな味わいになるのか。628ページという膨大なボリュームは、宝の山か、それとも玉石混交の荒野か。読み始める前は、その答えが全く見えなかった。
読み進める中で、雑誌という器の可能性を再認識した
ページをめくるたびに、世界が切り替わる。doumou先生の清純そうなタイトルから始まり、長い草先生の非日常的な「ヒプノ」の世界へ。黄猿先生の地味OLの恋心にほっこりした直後、たくわん先生の危険な香り漂うタイトルで背筋が伸びる。このリズムが、実に心地良い。一つの世界に深く浸る単行本とは異なり、次々と新鮮なシチュエーションが提供される。飽きる暇がない。
特に印象的だったのは、各作家の「個性」が存分に発揮されている点だ。シロノマヒロ先生の「彼女寝取らせてみた(笑)」のような、ある種のコミカルでシニカルな視点。筒森先生の「ふたなり女上司のほだしかた」のような、ニッチでありながら確固たる世界観。一冊で十数人の作家の「今」を味わえる。これは、覚悟して読んでほしい。雑誌ならではの、多様性の饗宴だった。
画力のパレードに、思わず唸った
そして、やはり外せないのが画力の高さだ。表紙を飾るdoumou先生のイラストは、透明感のある美しさで読者を引き込む。紅端よどむ先生の「幼馴染が日焼けでどちゃシコい」というタイトルからは、健康的で生々しい肉感が想像できる。ねこじまさき先生の「キレメイド」や、やくや先生の「先輩がわからない!」など、キャラクターの表情や衣装の質感にまでこだわりを感じる作品が並ぶ。各作家が持つ「美」の基準が、ページごとに炸裂する。この画力のパレードは、視覚的な美しさを求める読者にとって、まさに楽園と言える。
そして、ここに至る。関係性の「間」に宿るエロス
様々な作品を読み進める中で、一貫して感じたことがある。それは、激しいプレイや過激な設定以上に、「関係性の機微」が丁寧に描かれている作品の輝きだ。例えば「地味OLだって恋したい!」や「先輩がわからない!」といったタイトルからは、ごく普通の、あるいは少しぎこちない人間関係の中から生まれる恋愛や性が想起される。ふたなりという要素ですら、筒森先生の作品では「ほだしかた」という関係性の駆け引きの文脈で提示されている。
これは、単なるプレイの羅列ではない。二人の距離が縮まる瞬間、心の隙間に入り込む性の描写。そうした「間」を愛でる感性が、多くの作品に通底しているように思えた。ホラーや非日常的な要素も、その「間」を際立たせるスパイスとして機能している。多様なジャンルを包含しながら、人間同士の触れ合いの本質を見失わない。そんな雑誌の懐の深さに、最後には深く納得した。
購入前に知っておきたいこと
Q. 単行本と単話、どっちがお得?
本誌は628ページで多数作家の作品が読める「見本市」です。気になる作家の単行本を追うより、まずは本誌で各作家の作風を試すのがお得。特に連載初回や最終回が収録されているため、単行本購入の判断材料として最適です。
Q. 前作やシリーズを知らなくても楽しめる?
ほとんどの作品は単話完結または各話でストーリーが追えます。連載作品も、その号で完結する話か、導入部分が丁寧に描かれているため、未読でも問題なく楽しめるでしょう。むしろ新連載を見つける楽しみがあります。
Q. 地雷要素(NTR、スカトロ、暴力等)はある?
タグに「ホラー」があるため、非現実的・精神的恐怖要素を含む作品があると思われます。また「ふたなり」という身体的特徴を扱う作品も。ただし、過度なグロテスク描写やスカトロなどは見当たらず、あくまでエロティシズムの一環としての表現が中心です。
Q. ストーリー重視?実用性重視?
作家により大きく異なります。ストーリーとエロのバランスが良い作品から、シチュエーションを楽しむ実用性重視の作品まで幅広く収録。一冊で両方の楽しみ方が味わえるのが雑誌の強みです。画力の高さは全体的な特長と言えます。
多様性という名の冒険へ、さあ出発だ
総合的にAランクと評価する。その理由は、圧倒的なボリュームと質の高さを両立させている点だ。全ての作品が自分の好みに合うとは限らない。しかし、その「出会い」と「発見」のプロセス自体が、この雑誌の最大の価値である。一つの性癖に深くハマるもよし、様々な関係性の描写に思いを馳せるもよし。628ページは、あなたの未知の性癖や、忘れていた恋愛感情を呼び覚ます可能性に満ちている。これは、エロ漫画というメディアの豊かさを体感する、最高の旅のしおりになる。
